【決算】中国塗料3月期連結決算、 売上微増も利益大幅低下
中国塗料(伊達健士社長)は5月11日、2022年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.2%増の842億9500万円、営業利益は同89.4%減の6億8700万円、経常利益は同84.1%減の10億1200万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同92・2%減の2億5700万円となった。
セグメント別の業績で日本は、船舶用塗料では修繕船向けの販売が好調に推移。工業用塗料では前期に新型コロナウイルスの影響で生産調整を実施した建材メーカーの稼動率が改善し、建材用塗料の販売が回復した。その結果、売上高は同5.9%減の308億5300万円となった。損益面では主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大等により、前期比33億400万円減の10億8600万円の損失となった。
中国は、船舶用塗料では船舶建造量の減少により新造船向けの販売が落ち込み、修繕船向けの販売でも顧客の入渠船減少等により低調に推移したが、コンテナ用塗料の販売が塗料需要の回復により大幅に伸長し、重防食用塗料の販売も好調であったため売上高は同9.5%増の176億8000万円となった。損益面では、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大等により、前期比10億1500万円減の6億2400万円の損失となった。
韓国は、船舶用塗料のうち主力の新造船向けの販売が高付加価値製品の出荷増等により堅調に推移し、売上高は同8.7%増の74億8100万円となった。損益面では、為替の影響や主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大により、前期比10億300万円減の6億8500万円の損失となった。
東南アジアは、修繕船向けを中心に船舶用塗料の販売が堅調に推移した一方、新型コロナウイルスに起因するインフラ関連プロジェクト延期等により重防食塗料の販売が低調に推移。売上高は同1.3%増の117億8800万円となった。損益面では、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大により、セグメント利益は同12.5%減の16億1900万円となった。
欧州・米国では、船舶用塗料において主に修繕船向けの販売が堅調に推移し、為替の影響による増収効果もあり、売上高は同9.9%増の164億9100万円となった。損益面では各種経費の抑制や高付加価値製品の拡販に努めたものの、主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの増大をカバーできず、セグメント利益は同12.5%減の2億7400万円となった。
通期業績予想は、売上高が同1.5%減の830億円、営業利益が同27.3%減の5億円、経常利益が同21.0%減の8億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.6%増の3億円を見込んでいる。