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【決算】藤倉化成3月期、 売上・利益とも減

藤倉化成(加藤大輔社長)は5月13日、2022年3月期連結決算を発表した。同社グループの売上高は、前年同期比2・6%減の482億1400万円、営業利益が同24・1%減の12億2900万円、経常利益が同23・6%減の14億4900万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同39・3%減の7億4100万円であった。 

セグメント別業績では、コーティング部門は原材料価格高騰の影響を大きく受けた。上期は自動車生産台数の回復等により、主力の自動車向け塗料の需要は堅調に推移したが、下期に入って世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱等で自動車生産台数が減少したことによって、需要が急激に悪化。非自動車分野ではホビー用塗料の需要は堅調なものの、世界的な物流網の混乱による出荷制限等もあり、販売が低調に推移した。この結果、売上高は同17・5%増の220億3千万円、営業利益は同45・0%減の3億1900万円となった。

塗料部門では、一部のユーザーがウッドショックによる木材価格の高騰等を受けて木質系住宅の受注を制限したこと等もあり、新築住宅用塗料の販売は前年比で微増となった。リフォーム用塗料では、新型コロナウイルス感染症の影響によりリフォーム工事件数が減少したこともあり、当初計画と比べ需要が低調に推移したものの、前年比では増加の結果となった。この結果、売上高は同6・8%増の124億7千万円、営業利益は同32.・1%増の7億2800万円となった。 

電子材料部門では、スマートフォン向けおよびIoT家電向け製品の需要が好調に推移した一方、パソコン向け製品の需要は低調に推移。車載用製品も半導体不足による生産調整の影響等もあり低調に推移した。この結果、売上高は同4・3%増の38億5400万円、営業利益は同32・2%減の1億2千万円となった。化成品部門では、コピー機やプリンターメーカーがトナーの在庫を積み増す動きもあり、トナー用レジンの需要が堅調に推移。壁紙等に使用されている粘着剤も堅調に推移した。メディカル材料分野では主力製品の一つであったRI試薬が販売終了となり、売上高は前年を下回った。この結果、売上高は同18・3%増の40億5200万円、営業利益は同6・3%増の1億6800万円となった。合成樹脂部門では、液晶テレビ用途向け製品の原料販売が終了したことにより、売上高が前年を大きく下回った。また、飛沫防止関連製品の需要は一定数あったものの低調に推移した。カーエレクトロニクス分野向け製品の売上は微増となった。この結果、売上高は同50・9%減の59億300万円、営業損失は1億500万円(前期営業利益1億5400万円)となった。

2023年3月期の通期業績予想は、売上高が同9・9%増の530億円、営業利益が同18・0%増の14億5千万円、経常利益が同13・9%増の16億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35・0%増の10億円を見込んでいる。