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オーストラリア、 街に廃塗料回収スポット

2022.10.27

オーストラリア塗料工業会ほかでは業界を挙げて廃塗料の回収システム「Paint Back」を推し進めている。2016年より3万6千tほどの廃塗料と商品パッケージを収集し、処理してきた実績がある。

回収スポットイメージ(Paint Back HPより)



Paint Backの名称は塗料業界が主導する非営利団体であり、廃塗料と使用済み容器の収集ポイントをオーストラリア全土で設け回収している。塗料ユーザーはそのポイントに最大100l(1度の回収で20?の荷姿で10個)を容器に入れ持っていく。 回収後、分別され容器はリイクルされる。廃塗料は、溶剤系塗料の資源化や水性塗料の液体/固体分離などにより処理を行う。こうしたプロセスにより、産業廃棄物による埋め立て処理を大幅に減少させている。
 
また、廃塗料はリサイクルシステムの研究材料にもなっている。使用済み塗料から二酸化チタンを抽出したり、ジオポリマーコンクリート材料への転化など、幅広くリサイクル開発において、同システムを通じて行っている。
 
回収システムのコストの財源はどこからくるものだろうか。実は塗料の使用側が支えている。1?を超えて20個までの容器の対象製品の卸価格に対し1lあたり15セント(約14円)が課税されている仕組みだ。回収自体は無料であるが、間接的に費用コストを支払っていることになる。

Paint Backに参加している企業は、Dulux、PPG、Haymes等のオーストラリアで販売される建築用塗料の90%を占めるメーカーが並ぶ。ただし、このシステムは建築用がメインであり、自動車用塗料や工業用塗料等は同システムの対象外となる。
 
なお、同様の廃塗料の回収システムはアメリカ、イギリスでも展開されている。塗料の使用でDIYカルチャーのある国でシステムは構築されている。