【決算】日本特殊塗料、売上・利益ともに増加
日本特殊塗料(遠田比呂志社長)は5月10日、2023年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比10・9%増の607億3800万円、営業利益は同10・0%増の16億3100万円、経常利益は同19・7%増の31億4100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同61・7%増の21億300万円となった。
セグメント別の業績は、塗料関連事業は国内需要が回復基調にあることから、主力製品の防水材や床用塗料を中心に建築・構築物用塗料の販売は順調に推移した。また、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上は同6・1%増と事業規模拡大を継続し、セグメントの売上高は同6・3%増の205億6500万円となった。損益面では、多面的な原価改善活動の継続と共に、建築・構造物用塗料等の一部製品で販売価格見直しを進めているが、改善効果に比べ原材料・エネルギー価格高騰の影響が大きく、セグメント損失は1億1300万円(前期はセグメント利益3億7300万円)となった。
自動車製品関連事業は、世界的な半導体不足、サプライチェーン停滞等の影響が残るものの、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が一定程度回復してきたことから、吸・遮音材や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加し、セグメントの売上高は同13・4%増の401億5700万円となった。損益面では、原材料・エネルギー価格高騰等の影響を受けたものの、売上高の回復を受け、セグメント利益は同57・8%増の17億3700万円となった。
その他では、保険代理業の売上高は同0・4%減の1500万円となった。
2024年3月期の通期業績予想は、売上高は同2・9%増の625億円、営業利益は同22・6%増の20億円、経常利益は同9・8%増の34億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4・6%増の22億円を見込む。