【決算】アネスト岩田、売上・利益とも大幅増
アネスト岩田(深瀬真一社長)は5月9日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比14・6%増の485億1500万円、営業利益は同22・1%増の58億3800万円、経常利益は同26・4%増の70億4300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同23・7%増の43億8100万円となった。
セグメント別の業績では、日本は、圧縮機製品は年度末にかけた設備投資意欲の高まりにより汎用圧縮機の需要が拡大したほか、医療向けオイルフリー圧縮機の売上が伸長した。真空機器製品は急拡大を続けていた半導体市場が調整局面に入った影響を受け、半導体製造関連装置向け真空ポンプの売上は減少した。塗装機器製品ではスプレーガンの需要が堅調に推移したことに加え、経済活動の正常化とともに投資意欲が改善されたことで環境装置の受注が増加し、総じて売上は伸長した。これらの結果、売上高は同9・5%増の251億5400万円、利益は同6・5%増の35億1900万円となった。
欧州は、圧縮機製品は引き続き搾乳用途を始めとしたオイルフリー圧縮機の売上が堅調に推移した。また、特定市場向け圧縮機の新規顧客開拓や代理店との関係強化に注力。塗装機器製品はマーケティング戦略が奏功し、第2四半期連結会計期間に上市した自動車補修市場向け新型スプレーガンの需要拡大が続いた。これらの結果、売上高は同24・3%増の75億500万円、利益は同9・4%増の5億400万円となった。
米州は、圧縮機製品では北南米における車両搭載向け圧縮機やブラジルにおける医療向け圧縮機の売上が伸長した。真空機器製品では、アメリカにおけるリチウムイオン電池製造装置向けや研究施設向け真空ポンプの売上が堅調に推移。塗装機器製品では、アメリカにおいてエアーブラシの販売は巣篭り需要の発生前と同水準に戻ったものの、工業塗装市場向け塗装機器の顧客開拓が進んだことで、総じて売上は堅調に推移した。これらの結果、売上高は同16・2%増の62億5700万円、利益は同9.8%増の6億4千万円となった。
中国は、圧縮機製品では、輸出が好調な上海斯可絡圧縮機有限公司の販売やリチウムイオン電池製造関連装置向け圧縮機の販売などが引き続き好調に推移した。真空機器製品では半導体やLED、リチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプの売上が伸長した。塗装機器製品では、ゼロコロナ政策により営業活動が制限された影響で回復スピードは鈍化したが、前年度に比べ売上は伸長した。塗装設備製品では、前連結会計年度に納入した大型設備の反動により、前年度に比べ売上は減少した。これらの結果、売上高は同13・1%増の111億6400万円、利益は、圧縮機の販売増加などにより同52・5%増の8億1500万円となった。
その他は、圧縮機製品では、インドの汎用及び特定市場向け圧縮機が年間を通じて好調に推移。東南アジアでは汎用市場向け圧縮機の販路開拓が進展したほか、医療向け圧縮機の売上が伸長した。 塗装機器製品では、欧州・米州・日本の技術者数名で構成するグローバル・テクニカルチームの活動により、東南アジアにおいて自動車補修市場向けスプレーガンの売上が伸長した。これらの結果、売上高は同20・6%増の94億600百万円、利益は、インドにおける主力の圧縮機や東南アジアにおける塗装機器の売上増加などにより同34・3%増の14億6700万円となった。
2024年3月期の通期業績予想は、売上高は同6・8%増の518億円、営業利益は同4・5%増の61億円、経常利益は同0・8%増の71億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0・6%増の44億700万円を見込む。