東日本塗料、塗り床初のバイオマスマーク
東日本塗料は、7月10日午後3時から東京都台東区東上野のTKP上野駅前ビジネスセンターで新製品発表会をプレス向けに開き、塗り床材としては初のバイオマスマーク取得となる「フローン フルトップBio」を発表した。同社では、「環境」、「気候変動」、「人材不足」に関わる開発に注力しており、今回発表したバイオマス塗料は「環境」分野に対応した製品となる。ターゲットに「カーボンニュートラルやSDGs等の環境意識の高い企業」(同社・細谷義憲社長)とし、バイオマス塗料の市場を開拓していく姿勢だ。
開発したバイオマス特殊硬質ウレタン厚膜型塗り床材「フローン フルトップBio」は、主剤にバイオマス原材料を35%含有した製品となる。樹脂原料となるポリオールを植物油へのバイオマス原材料に代替。原材料の一部をバイオマス原料に置き換えることで、既存の無溶剤系厚膜の一般塗料と比較して20%のCO2排出量を削減できるという。バイオマス原料への代替により耐薬品性への懸念が当初はあったが、全体の塗料設計においてカバーし、既存製品と同等の物性を担保している。
製品缶やカタログには、「バイオマスマーク」が印字される。バイオマスマークは、日本有機資源協会が環境商品へ認定するマークで、既に食品包装紙やポリ袋等の消費財へ広がっている。バイオマスマークを取得するためには、製品の原材料を開示する必要があり、同社では、「各塗料原材料メーカーへ組成開示を依頼した」(斉藤真之技術部部長)とし、塗り床材として初のマーク取得(バイオマスマーク35)となった。
既に同製品は7月3日に上市し、設計単価に関しては既存製品に比べ1割~2割引き上がった。社会的意義のある製品からも原材料コスト上昇分より価格転嫁していないというものの、製品価格を引き上げることで「工事単価を上げられる」(福嶋尚人営業本部長)とし、塗装事業者への配慮が見られる。営業面からも差別化を図り「価格のたたき合いではなく一石を投じる製品である」(同)とした。
今回の上市により、建材や資材のサステナブル化に貢献し、施主のカーボンニュートラル、SDGs活動に役立つとしている。用途として、食品や機械工場、倉庫、屋内駐車場、店舗床等を想定しており、環境意識が高まる中で「(同製品を)塗ることで企業価値が上がる」というブランドにまで持っていきたい構えだ。なお、同社では、今後も原材料の動向によるがバイオマス塗料への開発を進めていく方針である。