【決算】中国塗料、売上・利益とも伸長
中国塗料(伊達健士社長)は7月31日、2024年3月期第1四半期連結決算を発表した。
売上高は前年同期比24・7%増の264億8900万円、営業利益は20億7400万円(前年同期は営業損失4億5千万円)、経常利益は23億9100万円(前年同期は経常損失1億4900万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億2900万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失4億6100万円)となった。
セグメント別の経営成績で日本は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けの需要が堅調に推移する中、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により売上高が増加した。工業用塗料では重防食用塗料の販売が堅調に推移した一方、建材用塗料の販売が落ち込み収益が悪化したことから、全体としては減収となった。その結果、売上高は同9・9%増の98億4200万円となった。損益面では、新造船向けの採算改善が限定的なものに止まったものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたこと等により、セグメント利益は前年同期比7億5700万円増の2億7800万円(前年同期はセグメント損失4億7900万円)となった。
中国は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けの需要が堅調に推移する中、販売量が増加したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったことや、円安となった為替の影響も加わり売上高が増加した。工業用塗料では販売が低調に推移し、コンテナ用塗料においても価格競争の激化により低採算案件の受注抑制を行ったことから販売が落ち込んだ。その結果、全体として売上高は同37・8%増の40億1200万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化に加え、増収効果もあり、セグメント利益は前年同期比7億6100万円増の3億9700万円(前年同期はセグメント損失3億6400万円)となった。
韓国は、船舶用塗料の新造船向けでは前年同期に工程遅延の影響で販売量が減少していた反動や製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったほか、修繕船向けでは販売が回復する中、販売価格の適正化を行ったこと等から、売上高は同56・2%増の22億600万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化に加え、増収効果もあり、セグメント利益は前年同期比2億4100万円増の1100万円(前年同期はセグメント損失2億2900万円)となった。
東南アジアは、修繕船向けを中心とした船舶用塗料や重防食塗料において製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高は同23・8%増の38億8700万円、セグメント利益は同84・5%増の6億4600万円となった。
欧州・米国では、船舶用塗料において堅調な需要が継続する中、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったことや、高付加価値製品の拡販に注力したほか、円安となった為替の影響も加わり、主に修繕船向けの販売が伸長し、売上高は同35・4%増の65億3900万円、セグメント利益は同131・5%増の3億1100万円となった。