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【決算】関西ペイント、売上増で利益大幅伸長

関西ペイント(毛利訓士社長)は8月8日、2024年3月期第1四半期の連結決算を発表した。

世界経済は地政学リスクが依然高まったままで基調的な物価圧力は根強く、回復ペースが鈍化している。こうした状況下、売上高は前年同期比13・3%増の1364億3600万円、営業利益は同42・6%増の121億500万円、経常利益は同28・6%増の169億6500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同483・1%増の376億9000万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、自動車分野では自動車生産台数が前年を上回り、販売価格の改善に取り組んだことにより売上は前年を上回った。工業分野、建築分野、自動車分野(補修用)および船舶分野では、市況が低調に推移したものの、販売価格の改善に取り組んだことなどからトータルで売上は前年を上回った。防食分野では、市況が回復し売上は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下したことに加え販売価格の改善に取り組んだことなどから前年を上回った。これらの結果、セグメント売上高は同9・8%増の388億4100万円、セグメント利益は同68・4%増の38億6900万円となった。
 
インドは、建築分野では販売促進活動を推進するものの競争激化等の影響を受け、売上は微増となった。一方、自動車生産は安定しており販売価格の改善も寄与し、インド全体の売上は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下してきたことに加え、販売価格の改善に取り組んだことなどから前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同5・7%増の365億6900万円、セグメント利益は同33・7%増の48億7900万円となった。
 
欧州は、トルコでは自動車生産台数が前年を上回り、販売価格の改善に取り組んだこともあり、売上は前年を上回った。 
 
その他欧州各国においては、工業分野を中心に堅調な需要に支えられ売上は前年を上回り、欧州全体の売上は前年を上回った。一方で利益は、原材料価格の高止まりや、インフレ影響による人件費等の上昇で販売管理費が増加したことなどにより、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同31・2%増の308億9100万円、セグメント利益は同54・5%減の5億5200万円となった。
 
アジアは、中国においては自動車生産台数が低調であったが、タイ、マレーシアおよびインドネシアにおける自動車生産台数の回復や販売価格の改善により、売上は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下してきたことに加え、販売価格改善による効果などにより前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同12・7%増の181億1500万円、セグメント利益は同49・8%増の32億4800万円となった。
 
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国の経済は慢性的な電力不足や物価高などの影響で回復が遅れており、需要が低迷するなか、販売価格改善などに取り組み、売上は前年並みとなった。一方、東アフリカ地域は堅調に推移し、建築分野における拡販および販売価格改善や商品ミックスの改善の取組み等により売上は伸長し、アフリカ全体の売上は前年を上回った。利益は、原材料価格の高騰を価格改定でカバーしたことや、コスト削減の取組みなどにより前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同7・4%増の99億2800万円、セグメント利益は同41・0%増の6億9300万円となった。
 
その他では、北米は自動車生産台数が前年を上回り、売上は前年を上回った。利益は、原材料価格の高騰による影響があったものの、持分法投資利益が増加したことなどにより、前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同31・7%増の20億8900万円、セグメント利益は同138・1%増の3億6900万円となった。