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三井化学産資、屋外水性塗料が好調

三井化学産資が昨年発売した水性木材保護塗料「ノンロット ブルーノ」(以下、ブルーノ)および専用希釈材「ブルーノ レデューサー」の売上が伸びている。昨年比1・5倍の売上となり徐々に市場に浸透してきた。増膜型のブルーノ単体で使用すれば、耐候性が高く臭気が少ないなど水性の特長を持つ。


造膜・半造膜の2面性を持つ「ノンロット ブルーノ」


一方、専用の希釈剤を使用すれば、木材保護性能はそのままに造膜型を半造膜にすることも可能になる。「木目をもう少し残した仕上げをしたい」という現場のニーズへの選択性を広げた。この当初の狙いは施工店から評価を受け、数字に表れはじめた。
 
また、2面性のある材料は、在庫管理もしやすく、材料のロスも抑制できる。一度購入した施工店からのリピート率も高い。販売担当者から「ほかにない材料なのでご興味いただいている」と、製品コンセプトが伝わっていると述べ、今後も注力していく方針だ。こうした画期的な製品開発をしてきた同社であるが事業体制が変わることになる。
 
三井化学産資の親会社である三井化学は、三井化学産資の全株式を前田工繊に譲渡すると6月26日に発表。本件についてノンロットの販売チームにヒアリングした。「心配の声をいただくが、木材保護塗料の生産・販売体制については現状維持のまま進んでいる」と説明。社名よりノンロットというブランドが浸透していることからも販売への影響もないとのこと。むしろ前田工繊とのシナジー効果に期待しており、前向きにとらえる。また、原材料の供給に関しても親会社との依存関係から離れ、原料の選択性も広がる可能性もあるという。
 
株式譲渡の実行は、独占禁止法に基づく規制当局の承認、その他クロージング条件後2025年4月1日を予定。社名も変更することになるが、ノンロットブランドは主力ブランドとして継続する。

 ℡03・3837・5825(建築資材部)