カイコ-、ユニット型の浄水装置の可能性
RX Japanは、10月29日からの3日間、幕張メッセにおいて「第7回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
浄水装置の標準・規格化で納期、コスト削減
カイコーの親会社である大阪油化工業では、ユニット型による設備の展開に注力している。コーティングジャパンでは、カイコーが出展し、「ユニット型排水処理設備」を展示した。
そもそもユニット型設備とは、機器や構成部品を事前に標準化し、JISやISO規格における寸法のフレームに組み込んだものである。これにより、従来の設備設置におけるプラント建設工事のリスクを低減できると言う。具体的に、設備計画から完了までの工期を短縮でき、建設業界の人材不足や働き方改革における労働時間の制限にも対応する。
また、追加工事の発生を避け、見積段階でコストの把握もできる。納期とコストを事前に把握することは、補助金などの申請や資金調達もスムーズになる。
ユニット型のメリットは、以上述べた点であるが、カイコーが出品した排水処理装置に当てはめてみる。同社の新製品となる排水処理装置は、オールイン型とコンテナイン型に大別でき、展示した「コンテナイン型」の装備、能力についてはどうなのだろうか。
まず、同製品は、反応、中和、凝集、ろ過、薬品添加をコンテナ一つに詰め込んだ設計済の製品となる。標準処理能力は、0.5㎥/hr~(最大1.0㎥)。ろ室数10、ろ室容量50ℓ。展示品では12フィートのコンテナに各装置を積んでいる。原水、処理水、用水(水道水)、圧縮空気の電源接続も一カ所に集約しているため、現地工事が最小限となる。
通常は屋内か、屋根付きの屋外に設置する必要があるがコンテナ自体が屋根になるため、建屋は不要となる。寒冷地などで防寒対策が必要な場合でも、内部にエアコンを設置することができるため、各装置ごとの対応が不必要である。なお、表面積は全体9㎡以下のため建築基準法等の届出事項も簡易となるそうだ。据付・試運転は最短1日も可能。
汎用性と機能のバランス、将来の拡張性をを設計段階から
各部品構成を見てみたが、随所に「シンプル」で無駄を省いた設計思想による製品化がうかがえる。まず、繋ぎ込み箇所は一箇所となっており、各層への排水の移動もポンプを使わず重力に任す。故障個所に多いのが電気系統とのことで、電気部品を減らすことでメンテナンス費用も最小限に抑えた設計になっている。
また、各部品はモノタロウなどの通販サイトでも購入できる構成にしている。調達できる部品を用いることで、消耗品の取替えや、将来的な拡張性も高められる設計とした。フィルターなどそこまで高価なものではなくとも、機能を発揮し、かつ、調達しやすいものを組み入れている。この汎用的と機能面で"ちょうど良い"バランスを取るのが今回の製品における同社のノウハウのようだ。
コンテナイン型はそのまま輸出が可能。調達可能な部品で構成されているため、水問題に深刻な国や、開発途上国への支援にも繋がる。
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