IEC、シーリングの乾燥炉に代替 レーザー加温乾燥
RX Japanは、10月29日からの3日間、幕張メッセにおいて「第7回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
7年連続出展 来場者楽しませるブースで顧客の「Idea」引き出す
IECは開発品を出品することで、来場者から「Idea」を受けとり、より良い製品開発に繋げていく。そんな場を提供するため、実演展示を7 年連続で出展。今回は、高さ5.5ⅿの「CAT WALK」を設置し、ブース全体、さらには会場全体を見下ろせる空間を創り出した。さらに、併設の「egao café」カウンターで未来につながる「Idea」を“顧客×IEC”で醸成していく。
塗装の各工程に省エネ、自動化システム
初お披露目の開発製品となったのが「ダイオードレーザー加温乾燥」。塗装前のシーリング材の乾燥・硬化を乾燥炉ではなく、レーザーによる代替の可能性を秘めた製品。加熱・乾燥時間の短縮による生産性向上が図れ、乾燥炉設備の省スペース化が見込める。
現在想定される用途としては、自動車ドアのシーリングがある。既存では乾燥炉によりシーリングを硬化。同システムに代替すれば、乾燥炉を必要としないためシーリング工程が様変わりする。レーザーシステムでは、180℃の加熱を瞬時に行えるため、乾燥炉加熱に比べ省エネ効果も高い。
レーザーは、IPGフォトニクス社製品を採用しており、一般的なレーザーより、広範囲に照射することが可能。レーザー範囲は1300×780㎜と200×200㎜がある。広範囲による照射により、シーリング乾燥だけではなく塗装前加熱や水切り乾燥・塗装乾燥にも用途が広がりそうだ。
次に目に入ったのが「マリモ除塵装置(BM-Cleaner~GINY~)」。塗装の永遠の課題となるのがゴミ・ブツ問題だ。同製品は、これまで難しいとしていた「帯電した埃」の除去と、ロボットによる自動化により品質の均一化さらには塗装品質の向上に繋げた製品である。
自動車塗装を例にとれば、下地工程後のワイピング工程で発揮される装置。除電とワイピング、ゴミの吸引を一台のロボット装置で賄えるように開発された。除塵工程を省人化し、この人件費削減により投資費用は最短2年で回収できるという。共同開発でもある大手車両メーカーが導入済みとのことだ。
最後に紹介するのが「熱伝導材料対応2液混合装置」だ。電気・バッテリー用のシーリング、ポッティング、放熱材塗布工程をアシストする。
難しい2液混合を0.1㏄単位から大容量まで定量塗布が可能。また、摩耗性が高い熱伝導材料に対し、耐久性の高いポンプを採用したことで、製品の安定性を確保している。必要な材料が無くならない限り連続吐出が可能である。需要が高まるEVバッテリー向け用途の需要拡大が見込める。
なお、同社では11月27日の3日間、最新ソリューションを実演展示する「IEC Live2024」を同社IEC Laboratory(愛知県名古屋市守山区)で開催する。同プライベート展示会は7年振り。カーボンニュートラルを意識した最新の設備・塗装機をはじめ、ラボの機能を紹介する。
【2024CJT 注目ブース(ブースレポート)】
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