アンデックス、環境改善をコンセプトに共同開発推進
RX Japanは、10月29日からの3日間、幕張メッセにおいて「第7回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
中間期の温湿度調整を精度高く
塗装・乾燥設備の専門メーカーとして半世紀の歴史を持つアンデックスが、展示会で新たな製品群を披露。環境改善をコンセプトに掲げ、他社との共同開発製品を中心に塗装品質と作業環境の向上をアピールした。
ウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ」は、蒸気レスで高い湿度を実現する画期的な空調機である。同社と中部電力ミライズ、中部電力が共同開発し、水と空気の直接熱交換を利用して、安定した温湿度の空気を、年間を通じて供給する。特に、冷暖房の切り替えとなる中間期における温湿度調整の難しさを克服。中部電力・技術開発本部の環境実験室での実証実験により、湿度±5%、温度±1℃以内の精度で供給が可能だという。また、蒸気式と比較してランニングコストを65%、CO2排出量を64%削減することに成功したとのことだ。同製品はアンデックスと中部電力ミライズが販売する。
循環型粉体塗装ブース「CAB ADC」は、特許出願中の外部からのゴミや塗料の飛散を防ぐ塗装ブースである。小型エアコンを使用することで内部環境を改善し、同時に省電力も実現した。集塵装置ADCはダクト工事と廃水処理が不要なため経済的だ。ナノファイバーろ材を利用した難燃仕様カートリッジフィルターエレメントは、2.0μmの粉塵を99.95%捕集し、独自のパルスクリーニング技術によりフィルターの寿命を延ばす。
移設が容易で局所清浄もできる溶剤除去装置
溶剤除去装置「SOLCOL」は、川崎重工業との共同開発で特許取得済みの製品である。航空機の組立作業における有機溶剤の安全管理が目的だ。有機則により換気装置の設置が義務付けられているが、従来設備は多大な投資額や消費電力、移設の困難性が課題であった。同製品は、有機溶剤を含む空気を清浄化し、内気循環することで空調のロスを防止。作業場の周りに設置するだけで空気を清浄できる。狭い機体内部の換気にはノズルホース、小物分費の脱脂作業場など局所的な空気清浄にはフードを使用することで、効率的な換気を実現する。
アンデックスはこれらの製品を通じて、作業現場の効率化と環境への負荷軽減を推進。今後も環境改善と作業環境向上を目指す。
【2024CJT 注目ブース(ブースレポート)】
アンデックス 編
IEC 編
サンコウ電子研究所 編
関西ペイント 編
ユニオンペイントグループ 編
グローバルコード 編
星和電機 編
カイコ― 編
環境開発技研 編