グローバルコード、PEEK塗料食品業界に拡大 脱フッ素も認知
RX Japanは、10月29日からの3日間、幕張メッセにおいて「第7回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
PEEK塗料、食品用途先行で使用広がる
グローバルコードは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分とする「PEEK塗料」(製品名:allive®PEEK coat)を出展した。同塗料は、韓国の炊飯器加工メーカーZenith(ゼニス)社が開発した製品。PEEK塗料に関しては、グローバルコードが代理店となり日本市場に販路を拡大しており、食品、自動車、電子部品分野での引き合いが増えている。特に先行しているのが、食品分野である。
PEEK塗料の離型性とステンレスの塗装可能な点が評価され、食品の製造ラインの金型にテスト運用が増加している。既存品では一般的に1年未満でリコートされるが、既に1年半を経過しても塗膜の損傷はない。現在も耐久性テストが進められており、量産を予定している。
食品産業で広がる理由に食品を製造する際のこびりつきの軽減にもなっていることも挙げらえれる。冷凍うどんやポテトサラダ等の製造において設備製造時間の大幅な短縮になるという。ステンレスの被塗物に密着することも優位点である。
脱フッ素の関心高まる需要も
PEEK塗料の特徴は、こうした耐久性のほか、連続使用温度が260℃と高い耐熱性や耐薬品性として、酸やアルカリ、有機溶剤等に対し、化学的な安定性を示す特徴がある。また、耐摩耗性等に優れ、摩擦係数値も低いため、機械部品や摺動部品に用いることで、摩擦と摩耗を低減し長寿命化を実現する。抵抗を抑制する用途で採用が広がれば省エネルギー効果も期待できる。こうした、様々なPEEK塗料特徴により食品産業だけでなく、調理家電や塗装の治具等にも採用・テストがされている。
同社は昨年も出展しており、担当者によると「脱フッ素に対する来場者の意識が変わった」と言う。昨年はPEEk塗料が脱フッ素製品であると問いかけても反応したのが2~3割。しかし、今年は「5割以上の関心がある」とのことだ。「脱フッ素による製品開発が企業PRになる」とする声もあり、PEEK塗料は、100%PEEK(フッ素フリー)の仕様を組むラインアップもあり、フッ素コーティングの代替としても期待されている。
【2024CJT 注目ブース(ブースレポート)】
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