日本ペイント、新たな重防食用塗料を発表
日本ペイントは10月29日、さび面対応の弱溶剤形高遮断性変性エポキシ樹脂下塗り塗料「ダンジオーラＥ下塗」と、高遮断性塗料用弱溶剤厚膜形ウレタン樹脂上塗り塗料「ダンジオーラＵ上塗ＨＢ」を発売した。
ダンジオーラシステムの特長
商品名の「ダン」は遮断を、「ジオ」は塩を表している。この新製品は塗り替え周期を延長し、コストを削減する省工程塩害対策システムとして開発された。特に注目すべきは、京都マテリアルズ（京都・山下正人社長）と共同開発された「高防食高遮断・さび転換機能・残存塩分適性技術」が採用されている点である。
日本ペイントでは、特に塩害環境に所在するプラントや民間工場設備に対し、高防食性を発揮する重防食用塗料開発を検討。応用できる技術を、山下社長の防食に関する特許や研究内容を知り、協働開発に至ったという。
鋼構造物の防食性を向上させるためには、素地調整時にさびを完全に除去することが重要だ。しかし、工場やプラント設備では、火気厳禁のため電動工具が使えない場合が多く、さび除去が十分に行えないことがある。また、沿岸地域の工場では、海からの飛来塩分による腐食も問題となっている。
新システムは、腐食因子の侵入を抑制する高防食・高遮断機能により、水や酸素、塩分などの腐食因子が透過しにくい塗膜構造を実現した。また、さび転換機能により、さびを安定構造に変化させて防食性を向上。さらに、残存塩分適性により、残存塩分を取り込むことでさびの安定構造化を促進する。また、従来の4工程から２工程に削減することで、環境負荷を低減しつつ、工程数と塗料使用量を削減できる。
日本ペイントでは、プラントや民間工場設備を中心に、新システムの普及を目指している。特に塩害環境に所在する設備への適用を想定している。
℡03・３７４０・１４８８
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