福山市で自動運転「レベル4」実用化へ
2027年度に無人による自動運転の導入を目指す広島県福山市は、今秋に行う実証実験の期間やルートを公表した。
自動運転技術は、運転者の介入をどれだけ必要とするかによってレベル分けされている。レベル4は、その中でも高い自動化を実現する段階である。具体的には、特定の条件下で完全に無人で車両を操作することが可能となる。つまり、運転手がいなくても車が自動で目的地まで移動できることになる。
福山市は特定の条件下で、無人で車両を操縦する自動運転「レベル4」の実用化を目指しており、今年6月27日に開かれた会議で市側は、今秋に10日間程度、小型バスでJR福山駅前から「エフピコアリーナふくやま」までの往復約5kmのルートで実証実験を行うとした。運転手が乗った状態で、一部の運転をシステムが行う「レベル2」で取り組み、十数人の乗客を運ぶ。ルート上の公道に特殊塗料を塗装するなどして実験準備が始まっている。
これまでに、2021年と22年に福山駅周辺ウォーカブルエリアにて実証実験を行った。2022年に隣を走るトラックと接触した事故の教訓から、車両の位置を補正する特殊な塗料を路上に施すほか、いくつかの信号の情報を受け取るといった新たな試みを取り入れる。
今回の事業を担当する福山市デジタル化推進課は「今年は、まず安全に実験を行い、一歩ずつサービスの実装に近づけていきたい」と話す。
この技術が実用化されれば、交通事故の減少や交通渋滞の緩和、さらには高齢者や障害者の移動手段の確保など、多くのメリットが期待されている。今回の実証実験は、その大きな一歩となる。福山市では今後も、自動運転技術の実用化に向けた取組みを進めていく予定としている。この取組みが進めば、安全に自動運転を行うために塗料への要求や期待も高まることだろう。