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【決算】関西ペイント、売上伸長も経常利益減少

関西ペイント(毛利訓士社長)は11月8日、2025年3月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7・3%増の2940億5700万円、営業利益は同2・3%増の263億3600万円、経常利益は、為替差損の計上や超インフレ会計による正味貨幣持高に係る損失の増加などにより同19・0%減の259億9600万円、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年に計上されていた一過性の特別利益の影響がなくなったこともあり同66・2%減の156億8500万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、自動車分野では一部自動車メーカーの生産・出荷停止や台風の影響で自動車生産台数が前年を下回ったものの、販売価格の改善に取り組んだ結果、売上高は前年よりわずかな減少にとどまった。工業分野、建築分野、自動車分野(補修用)および防食分野は、市況低調などの影響により販売を拡大できず、トータルで売上高は前年並みとなった。船舶分野では、外航船向けの市況は好調に推移し、売上高は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下してきたことに加え、船舶分野の増収が寄与したことにより、前年を上回った。これらの結果、セグメント売上高は同2・2%増の818億9千万円、セグメント利益は同8・3%増の108億3800万円となった。
 
インドは、建築分野では販売促進活動を推進するものの、市場環境の激化や低価格製品へのシフトも進み、売上高は前年を下回った。一方、自動車生産台数は安定して推移しており、自動車分野の売上高は前年を大幅に上回った。インド全体の売上高は、円安による為替換算の影響もあり前年を上回った。利益は、販売価格の改善に継続して取り組んだが人件費などの固定費が増加し、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同6・0%増の753億2500万円、セグメント利益は同6・0%減の84億700万円となった。
 
欧州は、トルコでは自動車生産台数は減少したものの、販売数量増、販売価格の改善の取組みにより、売上高は前年を上回った。その他欧州各国においても、工業分野を中心とした堅調な需要と新規連結の影響により、売上高は前年を上回った。一方で、利益は原材料価格が安定して推移したものの、インフレの影響による固定費の増加や人件費等のコスト増や、持分法による投資損失が増加し、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同18・0%増の763億1100万円、セグメント利益は同43・0%減の7億4200万円となった。
 
アジアは、中国では自動車生産台数は前年を上回ったものの主要顧客の需要は伸び悩み、売上高は前年を下回った。タイおよびインドネシアでは、自動車生産台数の減少を受け、売上高は前年を下回った。マレーシアでは、自動車生産台数が堅調に推移し、販売数量が伸びたほか、販売価格の改善に取り組んだことにより、売上高は前年を上回った。利益は、自動車分野の減収を受け、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同4・1%減の335億3千万円、セグメント利益は同8・0%減の51億5700万円となった。
 
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国の経済は慢性的な電力不足やインフレ圧力により消費が低迷する中、販売活動の促進に努め、売上高は前年を上回った。東アフリカ地域では、度重なるデモや天候不良の影響などがあったものの、売上高は堅調に推移した。利益は、商品ミックスの改善やコスト削減の取組みなどにより前年を上回った。これらの結果、セグメント売上高は同14・2%増の215億4100万円、セグメント利益は同11・7%増の17億2200万円となった。
 
その他では、北米は自動車生産台数が前年を上回り、売上高は前年を大幅に上回った。利益は、増収に伴い営業利益が改善したほか、持分法による投資利益も増加したことなどにより、前年を大幅に上回った。これらの結果、セグメント売上高は同27・0%増の54億5700万円、セグメント利益は同73・8%増の20億8400万円となった。