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国土交通省、 産官学金連携のPF設立

国土交通省は、スモールコンセッションプラットフォーム設立を記念したシンポジウムを昨年12月16日午後1時30分から東京都千代田区外神田の秋葉原コンベンションホールで開催した。スモールコンセッションは、官民が連携して遊休公的施設の活用を図るもので、政府が地域課題の解決やエリア価値の向上など地方創生を推進している。しかし、事業の進行や官民の連携体制の構築等に課題があり、その解決のために産官学金等の多様な主体が参加・連携するプラットフォームを設立した。

国土交通省の説明では、今後、人口減少等により、廃校等の空き施設や地方公共団体が所有する古民家等の空き家の増加が見込まれる。それらを有効に利活用して、交流人口や雇用を拡大し、地域経済の活性化を推進することが重要と指摘。その際には、民間の創意工夫を最大限に生かした小規模なPPP(Public Private Partnership)/PFI(Private Finance Initiative)事業の手法を活用することが効果的とした。
 
スモールコンセッションのポイントとしては、①対象施設は、廃校等の空き施設、地方公共団体が所有する古民家等の空き家②事業方式は、公共施設等運営権(コンセッション)方式のほか、RO(Rehabilitate Operate=改修・運営)方式等③事業費は、原則10億円未満程度を上げている。
 
説明後、基調講演として、スモールコンセッションプラットフォーム運営委員会の委員長代理である馬場正尊氏(東北芸術工科大学教授、オープン・エー代表取締役)が「スモールコンセッションの実践と可能性」のテーマで登壇。デザインとマネジメントの融合化でスモールコンセッションによる公共空間の価値創造を講演した。
 
この中で〝PARKnize 公園化する都市〟を掲げ、各地の空きデパート、土砂捨て場、都市部の路地などの公園化実例を紹介した。馬場氏は「このスモールコンセッションはある種、行政のクリエイティブからの大きなムーブメントだと思う。公共空間を使う人々から大きなムーブメントが起きていくことを期待しており、一緒にやっていきたい」と述べた。
 
続いて、パネルディスカッションを3テーマで実施。「スモールコンセッションによる地方創生に向けた地域企業の参画」には横山幸司氏(滋賀大学教授、産学公連携推進機構社会連携センター長)、宮澤伸氏(日本商工会議所)、土田信広氏(京都府福知山市)、「スモールコンセッションにおける資金調達や金融機関の関わり方」には根本祐二氏(東洋大学PPP研究センター長)、福島隆則氏(三井住友トラスト基礎研究所)、中嶋善浩氏(民間資金等活用事業推進機構)、「スモールコンセッションを推進するための人材・組織のあり方」には川口義洋氏(岡山県津山市)、入江智子氏(コーミン)、林有理氏(有理舎/公共R不動産)がそれぞれ参加。テーマに沿った事業例を紹介した。
 
今回のシンポジウムでは、地域でできることは地域で担うについて、改めて認識を深めた。ローカルファーストの視点で企業、行政、市民が行動すれば地域は変わり、日本経済を支えていく力となっていくことが期待される。