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ロックペイント、PET複合化プラ製品リサイクル

ロックペイントは昨年11月5日、ベルポリエステルプロダクツ(山口・西野幸策社長)とPET製複合化プラスチック製品のリサイクルに関する共同実証実験を開始すると発表した。ベルポリエステルプロダクツ社は、優れたポリマーテクノロジーを活かしてPETやポリエステル共重合樹脂を開発・製造するメーカーである。
 
印刷や異素材が組み込まれたPET製の容器やシートなどの複合化製品はリサイクルが困難とされてきたが、このたび同社が開発した複合プラスチックのリサイクル技術(特許 7539733:ポリエステルを含む物質の再資源化方法)を用いて市販されているさまざまなPET製複合化プラスチック製品のリサイクルを試みたところ、低温、短時間でPET樹脂を分子レベルに解重合させるとともに、印刷や異素材が効率よく除去され、純度の高いPET樹脂原料として回収できることが確認された。
 
さらに、回収されたこのPET樹脂原料をベルポリエステルプロダクツ社の協力により再び重合させたPET樹脂は、従来の石油化学品から合成されたPET樹脂と比較して、透明性・色調の他、物性においても大きな差異がないことも確認されている。
 
これらの結果を受け、複合化されたPET製品(容器やシートなど)の水平リサイクルや、再生されたPET原料からの塗料用樹脂の合成など、プラスチック資源循環の可能性について広く実証実験を進めていくこととなった。
 
なお、本技術は、比較的低エネルギーかつ短時間でポリエステル成分を分子レベルに解重合させるとともに、大幅な品質劣化を伴うことなくポリエステル以外の成分の分離・回収を可能とするもので、「ケミカルリサイクル」と「マテリアルリサイクル」を同時に進行させることができるということから「ロック・デュアルリサイクル技術」と命名している。