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【決算】関西ペイント、売上伸長も利益は減少

関西ペイント(毛利訓士社長)は2月7日、2025年3月期第3四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比5・3%増の4447億5200万円、営業利益は、原価低減などに取り組んだものの固定費が増加したことにより同5・2%減の392億4700万円、経常利益は、為替差益などの計上があったものの持分法による投資利益が減少したことなどにより同5・4%減の417億9500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年に計上されていた一過性の特別利益の影響がなくなったこともあり同39・0%減の329億1700万円となった。
 
セグメント別の業績で日本は、自動車分野では一部自動車メーカーの生産・出荷停止等の影響で自動車生産台数が前年を下回ったものの、販売価格の改善に取り組んだ結果、売上高は前年よりわずかな減少にとどまった。工業分野、建築分野、自動車分野(補修用)および防食分野では、市況低調などの影響により販売を拡大できず、トータルで売上高は前年を下回った。船舶分野では、外航船向けの市況は好調に推移し、売上高は前年を上回った。利益は、販売価格改善の取組みや一部の原材料価格が低下してきたことに加え、船舶分野の増収が寄与したことにより、前年を上回った。これらの結果、セグメント売上高は同1・1%増の1243億5800万円、セグメント利益は同期5・9%増の173億7800万円となった。
 
インドは、建築分野では販売促進活動を推進するものの、市場環境の激化や低価格品へのシフトも進み、売上高は前年を
下回った。一方、インドの自動車生産台数は安定して推移しており、自動車分野の売上高は前年を大幅に上回った。インド全体の売上高は、円安による為替換算の影響もあり前年を上回った。利益は、販売価格の改善に継続して取り組んだが、人件費などの固定費が増加し、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同4・4%増の1098億8700万円、セグメント利益は同6・9%減の116億800万円となった。
 
欧州は、トルコでは自動車生産台数は減少したものの、販売価格改善の取組みにより、売上高は前年並みとなった。その他欧州各国においては、工業分野を中心とした堅調な需要と新規連結の影響により、売上高は前年を上回った。一方で、利益は原材料価格が安定して推移したものの、インフレ影響による固定費の増加に加え、持分法による投資損失が大幅に拡大し、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同15・0%増の1182億900万円、セグメント利益は同97・5%減の9700万円となった。
 
アジアで、中国は自動車生産台数は前年を上回ったものの主要顧客の需要は伸び悩み、売上高は前年を下回った。タイおよびインドネシアでは、自動車生産台数の減少を受け、売上高は前年を下回った。マレーシアでは、自動車生産台数が堅調に推移し、販売数量が伸びたほか、販売価格の改善に取り組んだことにより、売上高は前年を上回った。利益は、自動車分野の減収の影響を受け、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同4・7%減の508億8千万円、セグメント利益は同13・8%減の75億8300万円となった。
 
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国の経済は慢性的な電力不足やインフレ圧力により消費が低迷するなか、販売活動の促進に努め、売上高は前年を上回った。東アフリカ地域では、デモや天候不順の影響などあったものの、建築分野において拡販に注力し、売上高は前年を上回った。利益は、コスト削減などに取り組んだものの、わずかに前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同8・1%増の335億6800万円、セグメント利益は同1・7%減の28億1200万円となった。
 
その他は、北米では自動車生産台数が前年を上回り、売上高は前年を大幅に上回った。利益は、増収に伴い営業利益が改善したほか、持分法による投資利益も増加したことなどにより、前年を大幅に上回った。これらの結果、セグメント売上高は同15・7%増の78億4700万円、セグメント利益は同29・7%増の28億900万円となった。
 
なお、昨年5月10日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は予想より4・9%減の5800億円、営業利益は同7・1%減の520億円、経常利益は同3・3%減の580億円、親会社株主に帰属する当期純利益は400億円のまま据え置いた。