【万博】生命の誕生と未来を疑似体験「Zero Gravity Art」
京都大学防災研究所アートイノベーション産学共同研究部門(代表:土佐尚子特定教授)は、同研究部門とTOPPANホールディングス、島津製作所の共同研究の成果である「Zero Gravity Art(無重力アート)」を、4月13日より10月13日まで行われる大阪・関西万博における西ゲートに近い場所にあるフューチャーライフビレッジパビリオンにおいて常設展示する。

「Zero Gravity Art」を説明する土佐教授
アーティストで研究者の土佐教授が、(京都大学防災研究所アートイノベーション産学共同部門の研究成果として)制作したメディアアート作品をベースとして、TOPPANホールディングス、島津製作所との共同研究の成果として発表し、AI全盛の世の中において、 未来の社会や産業に向け芸術(アート)で新しい価値創造を提案する。
展示作品のコンセプトは、「近未来に人類は、無重力空間である宇宙へ旅立つだろう」。無重力空間は、スキューバーダイビングと似ていると言われる。人間は生まれるまで、母親の羊水(水の中)の中で母体の胎教を聞いて過ごす。「Zero Gravity Art」は、多くの人から提供された産声と心音を用いて無重力下で作った「Sound of Ikebana(サウンド・オブ・生け花)」の映像で構成された微小重力体験空間で、羊水の中にいることを擬似体験する装置である。
万博を訪れる人々がこの装置を体験し、ジェンダーギャップが無かった時の記憶を取り戻し、人間として平等であることに目覚める。そして、胎児が浮遊しているような感覚を味わい、「生命の誕生 」と 「生命の未来 」を体験することができる。いいかえると『生命の誕生と未来』を疑似体験でき、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を具現化したものである。
土佐尚子特定教授とTOPPANホールディングスは 2019年より、アートと最先端テクノロジーを組み合わせてイノベーティブな社会的価値創造を目指す「アートイノベーション産学共同研究部門」を京都大学防災研究所に設置し、研究を進めてきた。また土佐教授と島津製作所は、2022年より生体情報計測技術を用いて、人間の創造性とアートの関係性を科学的に評価する共同研究を続けている。これら三つの技術が融合し、未来へ向けた革新的なメディアアートインスタレーション「Zero Gravity Art」が完成した。
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Zero Gravity Art カプセル(左)、カプセル内に投影される「Sound of Ikebana」のイメージ(右)