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安全や素地調整などテーマに 東京で技術発表大会開く―橋塗協
- 日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会(奈良間力会長)は第19回技術発表大会を、5月25日、午後0時45分から東京都千代田区九段北のアルカディア市ヶ谷で開催。安全、素地調整、省力化、環境の鋼橋塗装工事の現在の課題をテーマにした発表があった。
最初に「改正安衛法によるリスクアセスメント義務化とSDSについて」を日本塗料工業会製品安全部部長、渡辺健児氏が発表した。6月1日から施工される化学物質に関するリスクアセスメントの実施の義務化についての背景と概要などを話した後、主に化学物質リスク簡易評価法「コントロール・バンディング」を紹介した。コントロール・バンディングは、WEB上から(職場の安全サイト参照)作業場所や作業内容、塗料の種類などを選択するだけで、リスクアセスメント実施レポートが自動的にまとめられるもの。この結果により、リスクに応じて必要な措置などの共有ができるという。講演終了後の質疑応答で塗装事業者から「コントロール・バンディングの選択項目に塗料の沸点があるが、ジンクリッジペイントなど記載がないように思われる。どうすれば良いか」という質問があり、渡辺氏は「販売店への問合せを実施し、データがないのであれば、販売店からメーカーへの依頼を促して欲しい」と回答し、化学物質情報を健全に流通させ、業界全体で共有できる体制の協力を要請した。
次に「ブラスト素地調整における残存塩分除去対策の事例紹介」を土木研究センター材料・構造研究部部長の中島和俊氏が発表した。橋梁の塗り替えでは、重防食系の塗装仕様Rc‐1の採用が増えてきたが、海岸近くの橋梁において、塗り替え後すぐにさびが表面化するという例がある。今回の発表では、ブラストによる素地調整に残存する塩分が考えられ、残存塩分除去対策が紹介された。
ほかに、「省工程防食材料の比較検証試験」(首都高速道路東京西局)、鋼橋の塗替塗装における水性塗料の適用について」(日本ペイント)の発表があった。
- 『塗料報知』2016年6月27日号(4145号)掲載
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