BASF3Q 売上20%減 化学品事業は利益・販売量ともに増
売上高はポートフォリオ変更によるマイナス影響が大きく140億ユーロ(前年同期比20%減)を計上。販売量は順調に増加したが、価格の下落が影響した。また、 特別項目控除前営業利益は15億ユーロ(前年同期比5%減)。一方で、化学品事業は高性能製品部門、機能性材料部門は増益となった。同社は、2016年の見通しをガス取引事業の売却により、売上高は大幅減としており、特別項目控除前営業利益は2015年比微減と予想している。
BASF の最高財務責任者(CFO) Dr. ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルは、「とりわけ自動車産業および建設産業の需要は、世界各地で堅調です。欧州では、すべての産業で緩やかな成長が見られました。7月、8月の夏場の業績停滞も、例年に比べ比較的穏やかでした。アジアでは、第3四半期も上昇傾向が継続しました。中国では、年初の予測よりもわずかに高い成長を達成しました。北米では需要の伸びは緩やかでしたが、自動車産業、建設産業では引き続き、良好な勢いを維持しました。一方、南米では経済発展が依然として弱く、景況感も低いレベルにとどまりました。とりわけ同地域におけるBASF最大の市場であるブラジルでの販売量が減少しました」と話す。
主な3Q部門別業績概要
「化学品部門」
売上高は前年同期比7%減少し、34億ユーロだった。主に、原材料価格の下落に伴う製品価格の下落が原因。特に石油化学品事業本部、中間体事業本部で顕著だった。一方で、販売量は全体的に増加した。特別項目控除前営業利益は、主に石油化学品事業本部、中間体事業本部での利益率低下により、前年同期比で1億3,600万ユーロ減少し、4億9,700万ユーロとなった。
「高性能製品部門」
売上高は、前年同期比3%減の38億ユーロとなった。主に原材料コストの原油価格関連による低減、ならびに衛生品事業における継続的な価格競争によって、販売価格が下落している。2015年に完了した医薬品原料・サービス事業の一部売却や、製紙用含水カオリン事業の売却も減収につながった。
一方で、販売量は全事業部門で増加。固定費の削減と全体的な採算性の向上により、特別項目控除前営業利益は1億4,500万ユーロ増加し、4億6,400万ユーロとなった。
「機能性材料部門」
売上高は、販売量増加によって前年同期比3%増の47億ユーロとなった。販売量は、特に自動車産業との取引において増加。建設産業では、依然として全体的に高水準の需要があった。価格の引き下げ、為替のマイナス効果、グローバル展開していたポリオレフィン触媒事業の売却により、売上高の伸びは抑制。販売量の増加、固定費の削減を受け、特別項目控除前営業利益は1億2,600万ユーロ増加し、4億9,700万ユーロとなった。