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女性ネットワークの会、講演会『SDGs』をテーマに

日本建築仕上学会・女性ネットワークの会は、6月23日午後1時30分から4時まで、第7回講演会をZOOMウェビナーで開催した。開会のあいさつを日本建築仕上学会・女性ネットワークの会主査の熊野康子氏(フジタ)が述べ、同会発足の目的や2014年立ち上げ時からの活動を紹介した。2020年は新型コロナウイルスの影響で講演会が中止となり、第7回は初めてのWEBでの開催となった。

第7回講演会のテーマは『SDGs』とし、司会は女性ネットワークの会副主査の奥田章子氏(大林組)が務めた。特別講演は2部構成となっており、第1部では『SDGsについて』を川久保俊氏(法政大学デザイン工学部建築学科准教授)が概念から述べ、利己主義から利他主義へと変革することを提案。

川久保氏は、少子高齢・低成長時代を迎えている日本は持続可能な発展が厳しい。この状況を緩和、改善するひとつの方策が強靭・省エネ・健康住宅の普及にあると考えている。SDGsという世界共通言語で整理して発信し、高付加価値な建築物に対する需要が増加することが投資を呼び込み、良質な建物ストックの形成に寄与する。建築関係者がSDGsの理念を理解し、パートナーシップを強化して、その達成に向けてアクションを起こすことが求められていると話した。

第2部では『SDGsの時代を生きるわたくしたち~例えば、ジェンダー平等~』について山松節男氏(ビック情報顧問・工学博士)が、多数の根拠を示す資料を基に講義を行った。世界における日本のジェンダーギャップ指数(GGGI)が156カ国中120位であること(世界経済フォーラム2021年調べ)から遅れを指摘し、日本はなぜ変われないのかなどを問題提起し、具体的に解説した。建設業界での女性登用の遅れの課題を述べ、改正育児法案なども例に挙げながら、ジェンダー平等に必要なのは意識を変えることであるとし、さらに〝女性ネットワークの会〟はジェンダー平等の行動エンジンである、と存在意義を明確に示した。

講演後、「第4回現場女性へのアンケート結果報告」および女性の社会進出、コロナ禍における現場で働く女性の環境についてをテーマに、パネルディスカッションが行われた。アンケートには過去最多の304人が参加。「男性に比べて女性であることで感じる待遇面の差異は」という質問では、優しく接せられるが減っているが、電話番など事務負担が増えており、女性の待遇面での差別感は解消されていないという結果であった。最後に、日本建築仕上学会副会長の永井香織氏(日本大学生産工学部 建築学科教授)があいさつを述べ閉会した。

「第4回現場女性へのアンケート」結果