WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

アルパが熱分解炭化装置を開発

アルパ(大阪)は、このほど熱分解炭化装置「PWCD MJ」を開発し販売を開始した。この装置は炉内温度900℃以上も可能とし、廃プラスチック、廃木材、紙・布などの廃棄物を熱分解により炭化する。特長はあらゆる廃棄物を炭化物に変換し燃料として再利用できる点である。

ロータリーキルン方式を採用していた従来機種では都市ガスを熱源としていたが、同機種は電気と都市ガスのハイブリッド型であるため、許認可が緩和できる見込み。さらに設置面積が約半分ほどの省スペース化を実現。材質もステンレスにすることで、耐火煉瓦が不必要となり、かなりの軽量化も実現。設置工事の費用を抑えることができる。

同装置は熱分解に加え同社独自製品の電解スクラバーによる臭気・ガス対策を行っているため、ガスや臭気が外部に漏れない。処理コストが1トンあたり約5000円と安価である。塗料・塗装関係で発生する廃塗料や塗装スラッジの処理に採用すれば、廃棄物が出ないので産廃業者への委託が不要になる。また塗装廃液処理も同社の高濃度廃液(廃水)処理システムを併用すれば、水処理の無公害化が可能となる。COD(化学的酸素要求量)2万ppmといった廃液でも下水へ放流可能な水質まで処理することができ、汚泥も出ないという実績があるとのこと。

なお「PWCD MJ」の原理である熱分解と燃焼の違いを比較すると、熱分解は加熱により分子が分解することであり、燃焼は熱と光が伴う酸化反応である。熱分解は無(低)酸素下で行われる分子分解であり、煙等が発生せず、炭化物を生成する。燃焼ではなく熱分解であるため焼却炉としての許認可を緩和することができる。

問い合わせは℡06・7777・4250。