ボド・メーラー・ケミー、日本市場へ参入を発表
ドイツのスペシャリティ・ケミカルの専門商社Bodo Möller Chemie(ボド・メーラー・ケミー、フランク・ハウクCEO)は、日本市場への展開を図るため、今年7月に準備室を立ち上げたあと、8月23日に登記を完了、10月28日午後4時から東京都港区赤坂のジェトロイノベーションガーデンで、記者会見を開いた。
当日は、ボド・メーラー・ケミー・ジャパンのジュリアン・ベイショア社長と本社から来日した技術部門の副社長クリストフ・シュネル氏があいさつ。日本市場への参入の背景や展望などについて紹介、また日本での繁盛・隆盛を祈願し、だるま開眼式を行った。
ボド・メーラー・ケミーは50年の実績を有する接着剤等の化学品のリーディングカンパニーであり、豊富な専門知識と技術コンサルティングにより、顧客の課題を解決してきた。特に日本市場のメガトレンドとして、持続可能性、E‐モビリティ、通信インフラ、輸送機・航空宇宙に注目しているという。エレクトロニクス・半導体・プリント基板、車載用エレクトロニクス、二次電池・EV・HEV・FCV、BIW(自動車用ボディ・イン・ホワイト)・軽量複合材料・鉄道車両・航空宇宙など、魅力的な日本市場に対し、国内・海外営業、日系化学品メーカー製品の海外輸出、他社代理店のグループ化などの日本法人としてのミッションを果たしていきたいとのことである。
現在、同社(ドイツ・オッフェンバッハ)は、2023年において社員数340人、売上高202ミリオンユーロ(約324億円)である。200社以上の仕入れ先から厳選した化学品を取り揃え、顧客数は1万5千を超え、60カ国をカバーして全世界に展開している。150人の技術者が在籍し、ラボラトリーは4カ所(ポーランド、スペイン、中国、インド)にある。所属するプロフェッサーは4人、欧州構造接着剤技術者資格保有者は4人、エンジニアは100人を超すなど、技術を自社の強みにし、DoD(ディボンディングオンデマンド)、Towpreg、TIM、EMI、バイオベースレジン、機能性接着剤などのイノベーションを図っている。
アジア市場には2016年から参入。既に、中国、インド、タイ、ベトナムには進出済みであり、今年の日本、韓国に続き、来年はシンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリアへと全世界に拠点開設を目指している。また、資金力・先行投資・連続投資を活かし、新規開拓、仕入れ先からの移管、企業買収により、戦略的パートナーを形成している。
同社日本法人においても、最終製品として、潤滑剤、表面処理材・コーティング材、電鋳樹脂、接着剤・シーリング材、熱伝導放熱材料TIM材、複合材モデリングなどを、また原料として、プラスチック用添加剤・顔料、繊維助剤・染色助剤、CASE用原料、潤滑剤用添加剤などを扱い、万全のサポート体制により、高品質・安全性を満たしていくとする。
今後、接着剤・塗料・表面処理材を中心とする日本ラボラトリーの開設、2029年には売上高30億円、社員数10人を目指すなど、ジュリアン・ベイショア社長は述べ、だるまの目に思いを込め、記者会見を終えた。