WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

【決算】アネスト岩田、売上・利益とも伸長

アネスト岩田(深瀬真一社長)は5月9日、2024年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比10・1%増の534億2500万円、営業利益は同5・8%増の61億7600万円、経常利益は同13・4%増の79億8600万円、親会社株主に帰 属する当期純利益は同12・5%増の49億3100万円となった。
 
セグメント別の業績については、日本では圧縮機製品は、値上げ実施に伴う大きな影響は見られず、年度末の需要動向にも追従できたことにより、汎用の小形圧縮機や医療分野をはじめとしたセットメーカー向けレシプロ式を中心としたオイルフリー圧縮機の売上が伸長した。真空機器製品では、半導体市場の調整局面が継続する中で輸出を含めた半導体製造関連装置向け真空ポンプの売上が増加した。塗装機器製品では、一部スプレーガンの販売中止に伴う影響があったが、環境装置はITツールの活用度を高め物件管理を強化したことにより売上が伸長した。塗装設備製品では、好調であった前連結会計年度の反動から受注案件が少なかったことや次年度に計上となる案件が一部発生したことなどにより、売上は減少した。これらの結果、売上高は同4・7%増の263億2600万円、セグメント利益は同2・5%減の34億3100万円となった。
 
欧州は、圧縮機製品ではOEM先の需要動向からオイルフリー圧縮機の売上が堅調に推移した。塗装機器製品では、自動車補修市場向け新型スプレーガンを主とした塗装機器の販売が好調に推移した。これらの結果、売上高は同24・9%増の93億7700万円、セグメント利益は同64・5%増の8億2900万円となった。
 
米州は、圧縮機製品ではアメリカやブラジルにおける車両搭載向けおよび医療向け圧縮機の売上が伸長した。真空機器製品では、アメリカにおいて事業の一部譲受によって取得した販路における売上が堅調に推移した。そのほか、装置メーカー向け需要を取り込んだことなどにより売上が伸長した。塗装機器製品では、アメリカにおいてエアーブラシの売上回復に時間を要しているものの、工業塗装市場の開拓に伴い売上は伸長した。これらの結果、売上高は同16・0%増の72億5800万円、セグメント利益は同44・7%増の9億2700万円となった。
 
中国は、圧縮機製品では、中国国内向けの販売が停滞する中で、リチウムイオン電池製造関連装置向け圧縮機の販売が売上伸長に寄与した。加えて、上海斯可絡圧縮機有限公司の輸出販売が好調に推移した。真空機器製品では、圧縮機製品同様にリチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプの売上が伸長した。塗装機器製品では、景況感の回復が感じられず、売上の減少傾向が続いた。塗装設備製品では、塗装機器製品同様に売上の減少傾向が続いた。これらの結果、売上高は同11・1%増の124億500万円、セグメント利益は同0・8%減の8億800万円となった。
 
その他は、圧縮機製品ではインドにおいて汎用圧縮機が年度を通じて好調に推移した。塗装機器製品では、工業塗装市場向けを主として売上が伸長した。塗装設備製品では、自動車部品塗装向けや木工製品塗装向け塗装設備の売上が伸長した。これらの結果、売上高は同7・0%増の100億670百万円、セグメント利益は同9・0%増の16億円となった。
 
2025年3月期の通期業績予想は、売上高は同8・6%増の580億円、営業利益は同10・1%増の68億円、経常利益は同2・3%減の78億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同0・4%増の49億5千万円を見込む。