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【決算】アネスト岩田、売上増も経常利益減少

アネスト岩田(深瀬真一社長)は11月11日、2025年3月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表した。 売上高は前年同期比4・5%増の270億6千万円、営業利益は同3・3%増の29億6200万円、経常利益は同12・4%減の34億6200万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同16・3%減の21億9400万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、圧縮機製品は販促キャンペーンの奏功や医療向けオイルフリー圧縮機販売の堅調な推移などにより、売上は伸長した。真空機器製品は、生成AI関連投資の増加などに伴うグローバルな半導体需要の拡大を背景として、半導体製造関連装置向け真空ポンプの売上が堅調に推移した。塗装機器製品は、スプレーガンの一部機種の販売を2023年9月に中止した影響が残存したものの、塗料以外の液体を塗布する機器の販売が伸長し売上を下支えした。塗装設備製品は、前年度に大型設備案件を計上した反動により、前年同期比で売上は減少。これらの結果、売上高は同8・4%減の121億3700万円、セグメント利益は同25・5%減の13億9100万円となった。
 
欧州は、圧縮機製品ではOEM先の需要動向の変化によりオイルフリー圧縮機の売上が減少した。塗装機器製品では、前年度に引き続き自動車補修市場向けスプレーガン並びに木工市場向け塗装用ユニットの販売が堅調に推移し、欧州全域で売上が伸長。これらの結果、売上高は同15・3%増の52億5700万円、セグメント利益は同7・3%増の5億6200万円となった。
 
米州は、圧縮機製品ではアメリカにおいて医療および車両搭載向け圧縮機の売上が増加した。真空機器製品では、前年同期に見られた大型のスポット案件がなく、売上は減少。塗装機器製品では、エアーブラシの販売が回復に転じたほか、欧州で好評を得た自動車補修市場向けスプレーガンや木工市場向け塗装用ユニットの売上が好調に推移した。これらの結果、売上高は同11・0%増の39億1800万円、セグメント利益は同19・2%増の5億6千万円となった。
 
中国は、圧縮機製品では内需の縮小が継続する一方で同国からの輸出販売が堅調に推移した。真空機器製品では、電子機器製造関連装置向け真空ポンプの売上が伸長。塗装機器製品では、中国経済の回復が進まず売上は減少した。塗装設備製品では、輸送用機器関連の塗装設備の納入が完了したことで売上が伸長した。これらの結果、売上高は同10・4%増の65億8千万円、セグメント利益は、主に圧縮機を製造販売している中国子会社における調達見直しにより在庫の適正化や原価率の改善が進んだことなどにより、同57・0%増の4億6700万円となった。
 
その他、圧縮機製品では東アジアにおいてオイルフリー圧縮機の売上が伸長。塗装機器製品では、台湾で製造している中国向けスプレーガンなどの売上が減少した。塗装設備製品では、インドにおける営業活動の強化などにより、自動車部品塗装向け塗装設備の売上が伸長。これらの結果、売上高は同1・2%減の47億500万円、セグメント利益は、主に台湾における売上が減少したことなどにより同16・3%減の6億4千万円となった。