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【決算】アネスト岩田、通期予想を下方修正

アネスト岩田(深瀬真一社長)は2月10日、2025年3月期第3四半期の連結決算を発表した。 売上高は前年同期比2・6%増の399億8800万円、営業利益は同3・1%増の46億3300万円、経常利益は同2・3%減の57億1800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同1・6%減の35億7600万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、圧縮機製品では昨年10月の値上げ前の駆け込み需要による小形圧縮機を主とした受注残の計上が売上の増加に寄与した。真空機器製品では、サービス子会社において真空ポンプに関する修理・メンテナンス案件の注文が増加したことで、売上が伸長した。塗装機器製品では、ハンドスプレーガンの売上は横ばいで推移した一方、塗料以外の液体を塗布する機器の販売が食品製造用途を主として拡大し、総じて売上は伸長した。塗装設備製品では、自動車生産を中心とした塗装設備の期初受注残の落ち込みおよび期中の受注獲得ペースの鈍化により、売上が減少した。これらの結果、売上高は同6・7%減の181億2200万円、セグメント利益は同25・7%減の19億3900万円となった。
 
欧州は、圧縮機製品ではOEM先の需要動向の変化によるオイルフリー圧縮機の売上減少が依然として継続。塗装機器製品では、引き続き自動車補修市場向けスプレーガン並びに顧客開拓が進む木工市場向け塗装用ユニットの販売が堅調に推移し、欧州全域で売上が伸長した。これらの結果、売上高は同10・2%増の74億6200万円、セグメント利益は同6・7%減の6億8600万円となった。
 
米州は、圧縮機製品では北米において主に医療市場向けオイルフリースクロール圧縮機の売上が増加した。真空機器製品では、アメリカにおいて前連結会計年度に見られたスポット需要がなく売上が減少し、新規販路開拓に注力。塗装機器製品では、アメリカおよびブラジルにおいてハンドスプレーガンやエアーブラシの販売が好調に推移したことで、売上が伸長した。これらの結果、売上高は同7・5%増の57億6100万円、セグメント利益は同11・7%増の8億600万円となった。
 
中国は、圧縮機製品では内需の伸び悩みが続き国内販売は縮小しているものの、現地子会社による欧州及びインド市場向けを中心とした輸出販売は堅調に推移した。真空機器製品では、リチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプ売上が業績を下支えしたが、需要の一服感が見られた。塗装機器製品では、対象市場を絞った営業や代理店の活用を進める中で引き合いは増加しているものの、中国経済低迷の影響が続き、売上は減少した。塗装設備製品では、主にアウトドア用品や輸送用機器関連の製品の生産に関連する塗装設備の納入が完了したことにより、売上が伸長した。これらの結果、売上高は同4・7%増の95億1千万円、セグメント利益は同43・5%増の7億5千万円となった。
 
その他は、圧縮機製品ではインド経済の成長率の伸びが鈍化しており、汎用市場向け圧縮機を中心に売上が減少した。中形圧縮機の販売拡大に向けて、組立工場の建設を引き続き推進中。塗装機器製品では、インドにおいて主に自動車産業市場向けハンドスプレーガンの売上が伸長した。塗装設備製品では、インドにおいて主に自動車の生産に関連する塗装設備の納入が完了したことにより売上は伸長した。これらの結果、売上高は同1・9%減の72億2900万円、セグメント利益は同12・5%減の10億6600万円となった。
 なお、昨年5月9日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は予想より6・0%減の545億円、営業利益は同16・2%減の57億円、経常利益は同9・0%減の71億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11・1%減の44億円と、いずれも下方修正した。