アローP、台風被害テーマにオンラインセミナー
大雨&台風被害に遭う前の準備
アローペイント(大阪・染矢正行社長)は、大規模修繕オンラインセミナー「大雨&台風被害に遭う前に!大規模修繕店が教える保険の使い方」を7月16日、22日午後3時から開催した。建物が大雨や台風被害に遭ってしまった場合、物件のオーナーや管理人、工事業者が知っておくと役に立つ情報がたくさん紹介された。
まず梅雨の時期、大雨による建築トラブルの修繕として雨漏りについて説明があった。大雨による被害は火災保険では「構造上の経年劣化が原因」とみなされる場合がほとんどで、保険が適応されにくい。
しかし、風が影響した被害であれば適用される比率が高くなる。ポイントは「風と雨によって雨漏りすることをきちんと説明することである」と強調した。例えば風が関連した雨漏り、風圧でガラスが割れた、雨樋が風で飛ばされたなどは保険の対象となる。
一方、台風シーズン(7~10月)の場合は、風が原因と見られる場合が多く、梅雨の時より保険がおりやすい。保険会社はこの時期仕事が集中して忙しく、現地調査員が不足して現場に行けない場合などは、写真を提出すれば工事OKというケースもある。2018年の台風21号では関西では多くの被害が発生し、雨漏り被害も多数発生した。
保険が合法的、効率的におりるハウツーの話の前に、台風による保険適応までの流れの説明があった。まず建物のオーナーが保険会社に被害の連絡をする。保険会社からオーナーに資料・見積を作るように依頼が出される。業者に現地を見てもらう。業者はどういう経緯で雨漏りになったかを資料をまとめ、見積を作る。資料をもとに保険会社が判断するが、確認のため第三者調査会社に依頼して診断して、保険の適用が決まる。
そこに至るまでの作業を順調に進めるには、オーナーや管理会社の力が大きく、主導権をとり、スピードをもって作業を行わなければいけない。被害をそのまま1日でも長くほっておくと被害が大きくなることを保険会社に理解してもらう必要がある。
保険がおりるポイントは、資料作成を災害時の修理工事に詳しい、能力のある業者に頼むことが重要である。風が原因だという資料をきちんと作成させることが保険会社を納得させる。
業者が提出する見積も重要な要素である。見積のポイントは、平常時とは異なる非常時では、メーカーが出している適正価格を基に、安全対策(足場、落下防止、ガードマンの配置など)をきちんと提案することが重要である。保険を使った工事は1事故1件であるので、やり直しがきかない。講師の染矢社長は「安さのためにリスクを犠牲にしない。台風関連の修繕工事はしっかりした仕事内容が求められるが、ビジネスチャンスでもある」と説明した。