【決算】アトミクス3月期、 売上・利益共マイナスに
アトミクス(神保敏和社長)は5月13日、2022年3月期連結決算を発表した。売上高は110億6100万円(前年同期は111億2200万円)、営業利益は4億2100万円(同6億4400万円)、経常利益4億4700万円(同6億3300万円)、親会社株主に帰属する当期純利益3億7800万円(同3億7900万円)となった。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しているため、売上高の前年度と比較しての増減額および前年同期比(%)を記載していない。
ワクチン接種等によって、新型コロナ感染症の影響による経済活動停滞から回復の兆しはあるものの、原材料や輸送・電力コスト等の高騰、急激な円安の進行、ロシアのウクライナ侵攻等による地政学的リスクなど、景気の先行きは一層不透明となっている。このような環境のもと、種々のコスト削減を行うとともに、原材料の調達が厳しいなか、製品の安定供給に努めるため原料の代替等を行い対応した。また、自助努力による対応が厳しくなったため、第3四半期より一部製品の価格改定を行った。
セグメント別業績で、塗料販売事業は、建築用の防水材は7月・8月の長雨の影響で減少したが、アトムサーベイシステム等のPR活動により工場屋根関連製品が伸長。床用塗料は生産活動の休止を余儀なくされた工場での営繕・補修に向けた従業員が施工しやすい水性塗料関連製品が伸長した。
家庭用塗料はインターネット販売が伸長したが、取引先の破産が影響し、またホームセンターへの出荷も減少した。道路用塗料はインフラ補修関連製品の出荷は減少したが、官公庁の工事関連の発注が堅調に推移し、路面標示用塗料および視覚障がい者用シートが伸長した。
アトムレイズ(水性アクリルゴム系塗膜防水材)ではレイズ工業会の新規会員の開拓および設計事務所への訪問活動を行い、出荷量は伸長した。この結果、売上高は103億7200万円(同101億5500万円)となった。施工事業では、床材工事は製造工場の受注が順調に推移。子会社アトムテクノスの工事売上高は今年度より適用した収益認識に関する会計基準によって4億2500万円減少した。この結果、売上高は6億8900万円(同9億6700万円)となった。
2023年3月期の通期連結業績予想は、売上高が同6・7%増の118億円、営業利益は同38・3%減の2億6000万円、経常利益は同37・4%減の2億8000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同52・4%減の1億8000万円を見込んでいる。