WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

【決算】アトミクス、売上増も収益落ち込む

アトミクス(神保敏和社長)は5月12日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比3・0%増の113億9100万円、営業利益は同63・1%減の1億5500万円、経常利益は同59・9%減の1億7900万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同78・4%減の8100万となった。
 
新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により経済社会活動が徐々に正常に戻りつつある中で、長期化しているウクライナ情勢や円安進行等による原材料・エネルギー価格の高騰および原材料の調達不安等により製造業は厳しい状況となっている。このような中で製品の安定供給に努めるとともに、製品・サービスを通じて社会課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献するよう製品開発・営業活動を進めてきた。また、原材料等の価格高騰に対して一部製品の価格改定を行い利益確保に努めたが、度重なる仕入れ価格の高騰、取引先の倒産、環境対策費用の計上により増収減益となった。
 
セグメント別業績で、塗料販売事業は、道路用塗料は公共工事が底堅く推移し、特に通学路対策および舗装工事で路面標示用塗料、弱者対策として視覚障がい者用製品、さらに施工機械が伸長し、前年を上回った。

建築用・床用塗料は、一部製品の原材料が調達できず欠品となる厳しい状況となったが、水性関連製品の伸長およびASシステム(ドローン)を活用した営業活動による屋根材の伸長により前年を上回った。

家庭用塗料は新規販売サイトの増加によりインターネット販売は順調に推移しているが、ホームセンター分野での売上が伸長せず前年を下回った。アトムレイズ(水性アクリルゴム系塗膜防水材)は、設計事務所への営業活動を行うも工事案件が少なく、前年を下回った。この結果、売上高は同3・7%増の107億5700万円となった。
 
施工事業では、床材工事の受注減少および子会社アトムテクノスで前期大型工事の売上計上を行ったため前年を下回った。この結果、売上高は同8・1%減の6億3300万円となった。
 
2024年3月期の通期業績予想は、売上高が同5・3%増の120億円、営業利益は同15・7%増の1億8000万円、経常利益は同11・5%増の2億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同34・5%増の1億1千万円を見込む。