【決算】コニシ 第3四半期、売上堅調も利益は減少
コニシ(大山啓一社長)は1月31日、2023年3月期第3四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比8・9%増の912億2千万円、営業利益は同5・7%減の51億7800万円、経常利益は同4・6%減の56億200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同121・2%増の84億8900万円であった。
セグメント別で、ボンド部門は、一般家庭用分野ではホームセンター向けやコンビニエンスストア向けが堅調で、前年同四半期並みとなった。住関連分野では、建 築コストが上昇傾向となり新設住宅着工戸数の持ち直しの動きが鈍く、内装工事用の販売数量は減少した。産業資材分野では紙関連用途の水性接着剤や自動車・電子部品等に使用される弾性接着剤の販売数量が増加した。建築分野では建築補修用や建築用シーリング材の販売数量が増加し、土木分野でも表面保護・はく落防止工法が好調に推移した。
このため、売上高は製品販売価格の是正による効果もあり伸長したが、接着剤やシーリング材に使用される原材料価格は依然として過去にない水準で高騰し、経費削減や原価改善の取組み、売価への反映が進捗したものの営業利益は減少となった。この結果、売上高は同8・3%増の519億4200万円、営業利益は同12・1%減の32億7800万円となった。
化成品部門は、売上高、利益ともに仕入商材の価格改定による影響もあり、全体的に好調に推移。化学工業分野では、樹脂原料や放熱材料の販売が堅調に推移した。自動車向けの商材は、半導体不足等で需要影響はあったものの、供給制約の緩和や新規採用により好調に推移したが、電気機械向けの商材は、供給先の生産調整もあり低調に推移した。この結果、売上高は同10・7%増の261億2600万円、営業利益は同36・6%増の10億100万円となった。
工事事業部門は、公共事業を中心としたインフラおよびストック市場の補修・改修・補強工事は引き続き好調に推移し、ボンドエンジニアリングは売上・利益ともに増加したが、その他の関係工事会社は、工事の受注状況は堅調であるものの、資材価格の高騰や大型工事案件を得られなかったこと等により低調に推移した。その結果、売上高は同8・2%増の130億1400万円、営業利益は同6・1%減の9億2800万円となった。
その他部門は不動産賃貸業等で、売上高は同7・4%減の1億3700万、営業損失は3700万円(前年同期は3200万円の営業利益)となった。