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【決算】中国塗料、売上増で利益大きく伸長

中国塗料(伊達健士社長)は7月31日、2025年3月期第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比9・8%増の290億8千万円、営業利益は同62・4%増の33億6700万円、経常利益は同61・9%増の38億7100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同186・2%増の49億4900万円となった。
 
セグメント別の経営成績で日本は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けの需要が堅調に推移するなか、製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したこと等により、特に修繕船向けの売上高が増加した。工業用塗料ではプラント向け重防食用塗料が堅調に推移するも、建材用向けの需要が軟化して推移したこともあり、売上高は横ばいで推移した。その結果、売上高は同10・3%増の108億5400万円、セグメント利益は同114・2%増の5億9600万円となった。
 
中国は、船舶用塗料では新造船向けでは販売価格の適正化を行ったことにより収益性が改善したものの、複数の造船所で工程遅延が見られたこともあり、売上高は微増に留まった。修繕船向けでは当該期間における入渠船が減少したことにより、売上高は低調に推移した。工業用塗料では港湾設備向けなど大型案件が寄与したことにより、販売量が増加した。その結果、売上高は同0・1%増の40億1400万円、セグメント利益は同43・6%増の5億7千万円となった。
 
韓国は、船舶用塗料では主に新造船向けで大型案件の増加に加え、複数の造船所で工程が前倒しで進んだことにより出荷量が増加したほか、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したことに加え、為替の影響もあり、売上高は同59・8%増の35億2600万円、セグメント利益は同2460・1%増の2億9100万円となった。
 
東南アジアは、船舶用塗料では修繕船向けの需要が堅調に推移したことにより、販売量が増加した。工業用塗料では主力のタイで民間事業による投資案件が増加するなか、重防食案件の受注が進んだことにより販売量が増加した。コンテナ向けではマレーシアで一定のシェアを確保し販売量が増加した。その結果、売上高は同10・6%増の43億円、セグメント利益は同36・9%増の8億8400万円となった。
 
欧州・米国では、船舶用塗料のうち修繕船向けでは当該期間における入渠船が減少したことにより減収となったものの、燃料規制の対応を始めとする環境対応製品の需要が高まるなかで高付加価値製品の拡販に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により収益性は向上した。また、プレジャーボート向けの販売が好調に推移した。その結果、売上高は同2・4%減の63億8400万円、セグメント利益は同72・7%増の5億3800万円となった。