【決算】中国塗料、売上・利益とも伸長
中国塗料(伊達健士社長)は10月31日、2025年3月期第2四半期(中間期)連結決算を発表した。売上高は前年同期比13・6%増の629億3500万円、営業利益は同54・6%増の79億2900万円、経常利益は同45・6%増の85億700万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同88・7%増の83億32000万円となった。
セグメント別の経営成績で、日本は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けの需要が堅調に推移する中、製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したこと等により売上高が増加した。工業用塗料では、プラント向け重防食用塗料の販売が堅調に推移するも、建材向けの需要が軟化して推移したこともあり、売上高は横ばいで推移した。その結果、売上高は同7・7%増の215億1600万円となった。損益面では、原材料価格の上昇が見られる中、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたこと等により、セグメント利益は同57・6%増の12億6600万円となった。
中国は、船舶用塗料では新造船向けで販売価格の適正化を行ったことや出荷量が増加したことなどにより、売上高は増加した。修繕船向けでは、高付加価値製品の販売に努めたものの、当該期間における入渠数が減少したこともあり、売上高は横ばいで推移した。工業用塗料では、港湾設備向けなど大型案件が寄与したことにより販売量は増加した。その結果、売上高は同8・3%増の97億8900万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同14・9%増の15億5900万円となった。
韓国は、船舶用塗料では主に新造船向けでは大手造船所における大型案件の増加に伴い出荷量が大幅に増加したことや、環境対応型製品の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したほか、為替の影響も加わり、売上高は大幅に増加した。その結果、売上高は同70・2%増の84億7千万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同538・0%増の8億6200万円となった。
東南アジアは、船舶用塗料では修繕船向けの需要が堅調に推移したことにより、販売量は増加した。工業用塗料では、主力のタイで民間事業による投資案件が増加する中で、重防食案件の受注が進んだことにより、販売は堅調に推移した。その結果、売上高は同11・8%増の89億4300万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同32・4%増の18億1千万円となった。
欧州・米国では、船舶用塗料は修繕船向けでは当該期間における入渠船が減少したものの、燃費規制の対応を始めとする環境対応型製品の需要が高まる中で高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行なったこと等により、売上高は増加した。また、プレジャーボート向けの販売も好調に推移した。その結果、売上高は同6・3%増の142億1700万円となった。損益面では、販売価格の適正化を行なったこと等により、セグメント利益は同118・6%増の14億2300万円となった。
なお、今年5月9日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は予想より6・7%増の1280億円、営業利益は同25・0%増の150億円、経常利益は同21・6%増の152億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同30・0%増の130億円と、いずれも上方修正した。