WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

【決算】中国塗料、売上・利益とも2桁増

中国塗料(伊達健士社長)は2月4日、2025年3月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比11・5%増の960億5500万円、営業利益は同28・6%増の116億4300万円、経常利益は同19・4%増の120億1500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同39・3%増の106億9100万円となった。
 
セグメント別の経営成績で日本は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けの需要が堅調に推移するなか、製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したこと等により、売上高が増加した。工業用塗料では、プラント向け重防食塗料が堅調に推移するも、建材向けの需要が軟化して推移したこともあり、売上高は横這いで推移した。その結果、売上高は同3・3%増の319億1500万円となった。損益面では、原材料価格の上昇が見られるなか、新造船向けで損益分岐点を下回る案件が残るものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたこと等により、セグメント利益は同11・8%増の17億5千万円となった。
 
中国は、船舶用塗料では新造船向けで販売価格の適正化を行ったことや出荷量が増加したことなどにより、売上高は増加した。修繕船向けでは、高付加価値製品の販売に努めたものの、当該期間における入渠船が減少したこともあり、売上高は横這いで推移した。工業用塗料では、港湾設備向けなど大型案件が寄与したことにより販売量は増加した。その結果、売上高は同5・6%増の155億1600万円となった。損益面では、販売価格の適正化を行ったものの、コンテナ用水系塗料の棚卸資産評価損等の影響により、セグメント利益は同16・8%減の20億400万円となった。
 
韓国は、船舶用塗料では主に新造船向けで大手造船所における大型案件の増加にともない出荷量が大幅に増加したことや、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したほか、為替の影響も加わり、売上高は大幅に増加した。その結果、売上高は同68・2%増の136億5700万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同260・6%増の15億3900万円となった。
 
東南アジアは、船舶用塗料では修繕船向けの需要が堅調に推移したことにより、販売量は増加した。工業用塗料では、主力のタイで民間事業による投資案件が増加するなかで重防食案件の受注が進んだことにより、販売は堅調に推移した。その結果、売上高は同10・7%増の137億6500万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等によりセグメント利益は同32・3%増の29億400万円となった。
 
欧州・米国は、船舶用塗料では修繕船向けで当該期間における入渠船が減少したものの、燃費規制の対応を始めとする環境対応型製品の需要が高まる中で高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、売上高は増加した。また、プレジャーボート向けの販売も好調に推移した。その結果、売上高は同6・0%増の212億100万円となった。損益面では、販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同60・8%増の18億8千万円となった。
 
なお、昨年10月31日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は予想より1・6%増の1300億円、営業利益は同4・0%増の156億円、経常利益は同9・2%増の166億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3・8%増の135億円と、いずれも上方修正した。