【決算】大伸化学2023年3月期、販売価格への転嫁奏功
大伸化学(堀越進社長)は5月12日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は、343億9100万円、営業利益12億5300万円、経常利益13億700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億5500万円となった。なお、2023年3月期より連結財務諸表を作成しているため、2022年3月期の数値および対前期増減率は正式発表していないものの、増収増益を確保した模様だ。
一部の単一溶剤の出荷が減少したものの、国内の原油・ナフサ市況が前年に比べて高水準で推移。スムーズに原材料価格の上昇分を販売価格に価格転嫁したことで売上高は増加した。利益面においても、原材料の高騰や運送費の上昇等があったものの、効率的な原材料購入と原材料の上昇分を一部価格転嫁したことで、増益を確保した。
なお、製品の生産数量は同13万4421t、出荷数量は13万4342tであった。
主な品目別の売上高は、単一溶剤類が138億1700万円、印刷用溶剤類が66億1400万円、単一溶剤を中心とした商品が同50億3500万円、特殊シンナー類が34億2700万円、塗料・その他が21億8700万円、洗浄用シンナー類が20億6700万円、ラッカーシンナー類が6億7600万円、合成樹脂塗料用シンナー類が5億4800万円であった。
2024年3月期の通期業績予想は、自動車、印刷分野の回復を見込み、売上高は同1・8%増の350億円、営業利益は同0・5%増の12億6千万円、経常利益は同0・2%増の13億1千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12・1%減の8億4千万円を見込む。