【決算】大日本塗料3月期、 売上・利益とも増加
大日本塗料(里隆幸社長)は5月11日、2022年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比6・0%増の669億4800万円、営業利益は同12・5%増の31億8300万円、経常利益は同6・0%増の34億6500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3・2%増の20億3100万円となった。
セグメント別の業績では、国内塗料事業の構造物分野では、機能性新製品の拡販や新市場への展開への取組みが奏功し、売上高は前期を上回った。工業分野は、売上高は前期を上回ったものの、下半期より世界的な半導体不足の影響を受け、需要は低調に推移。利益面では、原材料価格の高騰による影響が強まっているものの、売上高の増加により前期を上回った。この結果、売上高は同5・1%増の496億2200万円、営業利益は同22・0%増の19億9千万円となった。
海外塗料事業は、東南ジア市場で自動車部品分野の販売が増加し、売上高は前期を上回った。中国市場では、新型コロナウイルス感染症の影響による全般的な需要の落ち込みから緩やかに回復し、売上高は前期を上回った。北中米市場では、上半期における自動車部品分野の販売の増加により、売上高は前期を上回った。全体として、売上高は前期を上回ったものの、下半期より世界的に半導体不足の影響が強まり、工業用塗料分野の売上が伸び悩み、利益面では、原材料価格の高騰の影響により、前期をわずかに上回る水準にとどまった。この結果、売上高は同26・5%増の69億3900万円、営業利益は同6・9%増の2億3600万円となった。
照明機器事業では、業務用LED照明分野で首都圏における需要が低調に推移し、UV照明分野での紫外線除菌新製品の新規顧客の獲得や照明工事の受注増加により、売上高は前期を上回った。利益面でも、売上高の増加に伴い、前期を上回った。この結果、売上高は同5・8%増の76億5600万円、営業利益は同20・2%増の5億7700万円となった。蛍光色材事業の顔料分野では、海外市場は新型コロナウイルス感染症の影響による需要の落ち込みから緩やかに回復し、売上高は前期を上回った。利益面では、国内市場における高付加価値品の需要減少に加え、原材料価格の高騰による影響を受け、前期を下回った。この結果、売上高は同9・5%増の12億2300万円、営業利益は同15・1%減の4600万円となった。その他事業では、売上高は同27・7%減の15億700万円、営業利益は同55・4%減の1億1400万円となった。
2023年3月期の通期業績予想は、売上高は同5・8%増の708億円、営業利益は同3・7%増の33億円、経常利益は同2・4%増の35億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1・6%減の20億円を見込む。