【決算】大日本塗料、収益面で大きく伸長
大日本塗料(里隆幸社長)は8月8日、2024年3月期第1四半期の連結決算を発表した。
売上高は前年同期比4・2%増の178億1400万円、営業利益は同71・0%増の12億100万円、経常利益は同47・8%増の13億6200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同53・1%増の9億1千万円となった。
セグメント別の経営成績は、国内塗料事業は、一般用分野では市況は本格的な回復には至らなかったものの、製品ミックスの改善や前期に実施した価格是正により、売上高は前年同期を上回った。工業用分野では新設住宅着工件数の減少により建材用塗料の需要が大きく減少した一方で、一部市況の回復や価格是正により売上高は前年同期を上回った。同セグメントの売上高は、当期初に実施した粉体製造子会社の合弁解消に伴う売上高の減少約8億円により前年同期を下回ったが、利益面への影響は僅少で営業利益は前年同期を上回った。この結果、売上高は同0・8%減の127億100万円、営業利益は同71・1%増の5億8600万円となった。
海外塗料事業は、東南アジア地域は、タイでは取引先の生産調整により需要が低調に推移した一方、シンガポールおよびマレーシアでは外装建材用塗料の需要が増加し、売上高は増加した。メキシコは自動車生産台数の回復により需要が増加したが、ペソ高の為替換算の影響により現地通貨における売上高は前年同期並みに留まった。中国は日系自動車メーカーの減産影響により需要が減少し、売上高は減少した。同セグメントの売上高および営業利益は、円安の為替換算の影響により前年同期を上回った。この結果、売上高は同 15・3%増の21億2700万円、営業利益は同11・2%増の1億500万円となった。
照明機器事業は、業務用LED照明分野ではインバウンドの回復や首都圏再開発等を背景に商業施設向けや建築向けを中心に前期に引き続き需要が増加した。UVランプ分野では主に半導体関連市場向けに紫外線殺菌用途の需要が増加した。また、価格是正の進展により、同セグメントの売上高および営業利益は前年同期を上回った。この結果、売上高は同27・4%増の22億5300万円、営業利益は同150・4%増の4億2300万円となった。
蛍光色材事業は、加工品分野ではフィルム製品の需要が増加したが、顔料分野では主に海外市況が低迷し、同セグメントの売上高は前期を下回った。営業利益は、売上高の減少および電力料などのコスト増加により、前年同期を下回った。この結果、売上高は同3・2%減の2億8千万円、営業利益は同58・8%減の700万円となった。
その他事業は、物流事業は取扱量の減少により運送売上および保管売上が前年同期を下回った。塗装工事業は市況が緩やかに回復し売上高は前年同期を上回った。この結果、売上高は同18・3%増の4億5100万円、営業利益は同41・9%減の1800万円となった。