【決算】大日本塗料、売上横這いも利益減少
大日本塗料(里隆幸社長)は11月8日、2025年3月期第2四半期(中間期)連結決算を発表した。同期の売上高は、前年同期比0・6%減の361億3500万円、営業利益は同7・0%減の25億2400万円、経常利益は同6・6%減の27億6400万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同38・8%増の27億1600万円となった。
セグメントごとの経営成績は、国内塗料事業は、一般用分野は不適切行為問題による需要減少からの回復ペースは想定を上回るものの、依然として途上にあることから、売上高は前年同期を下回った。工業用分野は、一部市況の回復や粉体塗料の新規獲得が進展したものの建材用塗料の需要停滞が継続し、売上高は前年同期を僅かに上回るに留まった。この結果、セグメントの売上高は、同1・3%減の256億200万円、営業利益は、価格是正に努めたものの人件費等の費用増加により同16・5%減の11億2800万円となった。
海外塗料事業は、東南アジアは自動車生産台数の減少や建材用塗料の需要減少により、売上高は前年同期を下回った。メキシコは、自動車生産台数の増加および新規取引の獲得により、売上高は前年同期を上回った。中国は、日系自動車メーカーの低迷影響が継続しているものの、為替換算の影響により売上高は前年同期を上回った。この結果、セグメントの売上高は同2・8%減の41億2100万円、営業利益は、中国事業における費用圧縮に努めたものの減収影響が大きく、同36・4%減の1億5400万円となった。
照明機器事業は、業務用LED照明分野は好調なインバウンド需要や都市部再開発を背景に商業施設や宿泊施設向けを中心に需要が堅調に推移したほか、販売価格の改善が進展し、売上高は前年同期を上回った。UVランプ分野は、紫外線殺菌用途の需要は堅調なものの一部製品の需要が減少し、売上高は前年同期を下回った。蛍光ランプ分野は、市場縮小に伴い需要が減少しているものの、販売価格の改善に努め、売上高は前年を上回った。この結果、売上高は同5・4%増の49億3300万円、営業利益は同12・8%増の10億3千万円となった。
蛍光色材事業は、顔料分野はEU地域の需要が減少に転じ、売上高は前年同期を下回った。加工品分野では、安全対策用塗料の需要が増加し、売上高は前年同期を上回った。この結果、売上高は同9・3%減の5億6千万円、営業利益は経費抑制に努めたことで同128・6%増の3200万円となった。
その他事業では、物流事業では物流業界における各種コストの上昇に対して単価改善に努め、売上高は前年同期を上回った。塗装工事事業は工事受注が堅調に推移し、売上高は前年同期を上回った。この結果、売上高は同1・9%増の9億1700万円、営業利益は工事原価の高騰により同64・4%減の1600万円となった。
なお、今年5月10日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は740億円のまま据え置いたが、営業利益は予想より12・9%増の48億円、経常利益は同11・1%増の50億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13・2%増の43億円と上方修正した。