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【決算】2022年3月期各社の決算、 建築関連が回復基調

上場する主要塗料関連メーカーの2022年3月期通期決算が発表された(集計13社)。コロナ禍の影響が鮮明に現れた昨年に比べれば、全体的に回復傾向を示したが、ウクライナ情勢の緊迫化や資源価格の高騰も影響し、先行きの不透明感を払拭しきれない状況が続いている。

建築関連では、コロナ感染拡大後の工事延期等も改善し、需要は回復基調となった。省エネタイプ等の差別化した製品で堅調な推移が見られた。また、戸建て住宅需要や窯業建材向け塗料が堅調に推移し、社会情勢不安に伴う動向は不透明であるものの回復傾向が継続している。自動車関連、工業関連は、下期の世界的半導体不足やサプライチェーンの混乱等から低調に推移した。新車部門ではコロナ禍の影響および部品供給の停滞による自動車メーカーの減産・生産調整が響き、今後もその影響が懸念される。家庭用では、昨年の巣ごもり需要特需の反動からDIY部門の需要が減り、低調に推移。船舶関連は、一部に新造船受注の回復は見られたが、全般的には原料価格の高騰もあり依然として厳しい状況が続いている。

今回、集計した13社で、売上が対前年比減少した企業は2社であったが、利益で対前年比減少した企業は6社であった。なお、2022年3月期から多くの企業で「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を適用することになり、連結業績予測はその基準を反映しているため、対前年通期売上・利益増減率を公表していない企業がある。