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藤倉化成（加藤大輔社長）は５月12日、２０２３年３月期連結決算を発表した。売上高は、前年同期比５・５％増の５０８億４３００万円、営業利益は同71・５％減の３億５１００万円、経常利益は同63・２％減の５億３４００万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同98・７％減の１千万円であった。
　
セグメント別業績では、コーティング部門は、主力の自動車向け塗料は主要顧客の減産などの影響もあり国内での需要は低調に推移したが、海外においては自動車生産台数が回復傾向にあり需要が堅調に推移した。非自動車分野では、ホビー用塗料が中国のロックダウンの影響を受け低調に推移。化粧品容器向け塗料の販売は、マスク定着の影響による市場の低迷が続いたが、前期並みの売上となった。この結果、売上高は同23・０％増の２７０億９８００万円、営業利益は同11・６％減の２億８２００万円となった。
　
塗料部門では、新築向け塗料の販売は一部顧客のウッドショックなどによる受注制限の影響や新規受注棟数の減少を受け、需要は低調に推移した。リフォーム向け塗料の販売も、主要顧客において高耐久化や外壁のタイル化により塗り替え対象物件が減少していることを受け、需要が低調に推移した。この結果、売上高は同５・５％減の１１７億９千万円、営業利益は同59・８％減の２億９３００万円となった。
　
電子材料部門は、下期に入りパソコン向け製品の需要が急激に悪化し低調に推移、車載向け製品も顧客の減産の影響を受け低調に推移した。一方、海外の一部地域では自動車の安全装置部品の需要が堅調に推移した。この結果、売上高は同17・４％減の31億８３００万円、営業利益は同72・７％減の３３００万円となった。
　
化成品部門は、トナー用レジンの販売では上期は堅調に推移したが、下期に入り顧客の在庫調整や客先製造ラインの改修が行われた影響で低調な結果となった。一方、壁紙用の粘着剤の販売は好調に推移した。メディカル材料分野では海外への試薬の販売が堅調に推移した。この結果、売上高は同０・６％増の40億７８００万円、営業損失は１億２１００万円（前年度は営業利益１億６８００万円）となった。
　
合成樹脂部門では、藤光樹脂などが取り扱うアクリル樹脂の原材料・加工品の販売では、リチウムイオン電池向け製品の販売が堅調に推移した。一方、上期に好調だった車載向け製品の販売は下期に入り主要顧客の減産の影響もあり低調に推移した。液晶テレビ用製品や樹脂原料の販売も引き続き低調に推移した。この結果、売上高は同19・０％減の47億８千万円、営業損失は１億３６００万円（同営業損失１億５００万円)となった。
　
２０２４年３月期の通期業績予想は、売上高は同８・２％増の５５０億円、営業利益は同２７０・４％増の13億円、経常利益は同１８０・９％増の15億円、親会社株主に帰属する当期純利益は11億円を見込む。