【決算】藤倉化成、営業・経常利益3桁増
藤倉化成(加藤大輔社長)は5月14日、2024年3月期連結決算を発表した。売上高は、前年同期比3・5%増の526億1200万円、営業利益は同270・5%増の12億9900万円、経常利益は同246・1%増の18億4600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億7500万円であった。
セグメント別の経営成績は、コーティングセグメントは、主力の自動車向け塗料の国内販売は、第4四半期に主要顧客の自動車生産台数が減少した影響などにより需要はやや低調に推移した。海外においては北米、アセアン諸国での販売が好調に推移したが、中国では日系メーカーの販売不振により低調に推移した。自動車向け以外の分野では、日系化粧品メーカーの販売が苦戦した影響などにより、化粧品容器用塗料の販売が低調に推移した。この結果、売上高は同8・5%増の294億400万円、営業利益は同477・8%増の13億1500万円となった。
塗料セグメントは、顧客の受注減が続いており、新築用塗料の販売が低調に推移した。リフォーム用塗料については、下期に入り顧客の需要が回復傾向にあるが、新築用塗料の不振を補うまでには至らなかった。この結果、売上高は同5・1%減の111億8800万円、営業利益は同61・7%減の1億6200万円となった。
電子材料部門セグメントは、自動車の安全装置用の電子部品の販売が堅調に推移した一方で、PC、スマホ向け製品の販売が低調に推移した。また、銀建値を中心とした原材料高騰と品種構成により、セグメントにおける収益が圧迫される結果となった。この結果、売上高は同1・8%増の32億3900万円、営業損失は1億4300万円(前年度は営業損失1億6300万円)となった。
化成品セグメントは、トナー関連材料の販売は、コピー機市場の低迷の影響を受けて低調に推移した。粘着剤関連では、壁紙用粘着剤の販売が好調に推移した。メディカル材料分野では、試薬原料の中国での販売が低調に推移した一方、主力の糖尿病診断薬の原料販売がインド・ブラジルを中心に堅調に推移した。この結果、売上高は同1・9%増の41億5700万円、営業損失は4900万円(前年度は営業損失100万円)となった。
合成樹脂セグメントは、液晶テレビ用のレンズキャップや樹脂原料の販売が低調に推移した一方、リチウムイオン電池向け製品の販売が好調に推移した。この結果、売上高は同1・5%減の46億2300万円、営業利益は1500万円(前年度は営業損失1億3600万円)となった。
2025年3月期の通期業績予想は、売上高は同8・3%増の570億円、営業利益は同46・3%増の19億円、経常利益は同8・3%増の20億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11・6%増の12億円を見込む。