関西ペイントグループ、粉体塗料の新会社設立
関西ペイントグループでは、関西ペイントの連結子会社である久保孝ペイント100%出資の粉体塗料製造新会社を12月に設立し、粉体塗料事業を強化する。加えて、粉体塗料工場を新たに建設し、事業の拡大を進める。
粉体塗料は塗装工程の省人化が図れ、環境対応の課題を解決する塗料として優位性が認められ、世界的にも需要が拡大している。同グループは、粉体塗料事業を重要な拡大セグメントと捉え、日本における生産体制、技術、商品、販売体制を強化していく。粉体塗料事業を主力とする久保孝ペイントを完全子会社化する予定である。
なお、久保孝ペイントと大日本塗料との間で2015年1月に粉体塗料製造の合弁事業として設立したジャパンパウダー塗料製造(JPCM)は、11月30日に合弁事業の解消に合意。2023年4月には久保孝ペイントが保有するJPCMの株式49%をJPCMに譲渡する予定。
関西ペイントグループは、2022年4月からスタートした「第17次中期経営計画」の重点方針の一つとして、「成長分野への積極投資」を掲げている。この中には、日本事業の再編成・効率化を掲げており、今回の新会社設立はその一環となる。今回の国内粉体事業拡大で2030年度には売上高90億円(2021年度比で倍増)を見込み、トップシェアを目指す。
新会社並びに新工場の概要は次の通り。
【新会社】
▽会社名=KANSAIパウダーコーティングス株式会社▽本社=大阪府大阪市東淀川区西淡路3~15~27▽工場=兵庫工場/兵庫県朝来市生野町真弓373~98(現JPCM兵庫工場)▽代表者=蘆田勝利▽操業開始=2023年4月予定▽資本金=9千万円▽事業内容=関西ペイントおよび久保孝ペイントからの製造受託による粉体塗料の製造と販売
【
新工場】
▽所在地=兵庫県赤穂市を予定(関西ペイントグループ敷地内)▽延面積=1万㎡(倉庫含む)▽工期=第一期/2023年10月、稼働2025年1月、第二期/2026年4月、 稼働2027年4月
なお、関西ペイントはこれに先立ち、同社および同社の欧州連結子会社であるKansai Helios Coatings GmbH(以下Helios社)と、ドイツに本社があり、欧州および米国で粉体塗料・合成樹脂事業を営むCWS Lackfabrik GmbH(以下CWSグループ)の全株式を取得し、子会社化することを発表した。粉体塗料事業を日本国内だけでなく、グループが事業展開する各地域においても成長分野の一つとして重点的に投資。工業分野での中核ビジネスへと拡大、技術開発や商品拡充も強化していく。