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【決算】関西ペイント、売上増で利益も伸長

関西ペイント(毛利訓士社長)は8月8日、2025年3月期第1四半期の連結決算を発表した。 売上高は前年同期比6・6%増の1453億9700万円、営業利益は同24・9%増の151億1400万円、経常利益は同17・4%増の199億2400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年は一過性の特別利益が計上されていたため、同68・4%減の118億7300万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、自動車分野では販売価格の改善に取り組んだが一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響により自動車生産台数が前年を下回った影響もあり、売上高は前年を下回った。工業分野、建築分野、自動車分野(補修用)および船舶分野では、市況低調などの影響により販売を拡大できず、トータルで売上高は前年並みとなった。船舶分野では、外航船向け市況は好調に推移したことにより売上高は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下したことに加え、船舶の増収が寄与したことにより前年を上回った。この結果、売上高は同6・3%増の412億9600万円、利益は同54・4%増の59億7500万円となった。
 
インドは、建築分野では販売促進活動を推進も、市場競争の激化や低価格品へのシフトが進み、現地通貨ベースでの売上高は前年を下回った。一方、自動車生産台数の回復により、自動車分野の売上高は前年を大幅に上回った。インド全体の売上高は、円安による為替換算の影響もあり前年を上回った。利益は、一部の原材料価格を抑制してきたことに加え、販売価格の改善に継続して取り組んだことにより前年を上回った。この結果、売上高は同10・1%増の402億7700万円、利益は同11・1%増の54億1800万円となった。
 
欧州は、トルコでは自動車生産台数が安定し、販売価格の改善に取り組んだことにより売上高は前年を上回った。その他欧州各国においては、工業分野を中心に堅調な需要に支えられ売上高は前年を上回り、欧州全体の売上高も前年を上回った。利益は、インフレ影響による人件費等コストの増加はあったが、原材料価格が安定して推移していることや、持分法による投資利益の改善により前年を上回った。この結果、売上高は同8・8%増の336億100万円、利益は同62・5%増の8億9800万円となった。
 
アジアは、中国では自動車生産台数は前年を上回ったが主要顧客の需要が伸び悩み、売上高は前年を下回った。タイおよびインドネシアでは、自動車生産台数が減少したことにより売上高は前年を下回った。マレーシアでは、自動車生産台数の回復により販売数量が増加したことで売上高は前年を上回った。利益は、自動車分野の減収の影響を受け前年を下回った。この結果、売上高は同4・5%減の172億9200万円、利益は同10・1%減の29億2千万円となった。
 
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国の経済は、継続的慢性的な電力不足やインフレ圧力による消費低迷の影響もあり、売上高は前年並みとなった。一方、東アフリカ地域は、天候不順の影響があったが、主力の建築分野の売上高は堅調に推移。利益は、原価低減などコスト削減の取組みなどにより前年を上回った。この結果、売上高は同3・0%増の102億2600万円、利益は同14・9%増の7億9600万円となった。
 
その他では、北米は自動車生産台数が前年を上回り、売上は前年を大幅に上回った。利益は、増収のほか、持分法による投資利益が増加したことなどにより、前年を大幅に上回った。これらの結果、売上高は同29・4%増の27億400万円、利益は同202・9%増の11億1800万円となった。