【決算】ナトコ、売上微減し利益も減少
ナトコ(粕谷太一社長)は9月1日、2023年10月期第3四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1・6%減の150億1500万円、営業利益は同31・9%減の9億9千万円、経常利益は同43・2%減の9億6300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同48・4%減の6億700万円となった。
セグメント別の業績では、塗料事業は、金属用塗料分野で工作機械、農業機械、特殊車両を中心に採用された意匠、機能性塗料が順調であったことや、新たに上市した屋根用遮熱塗料の採用増により、売上高は増加した。建材用塗料分野では新設住宅着工動向は前年割れと厳しい方向へ推移し、主力ユーザーの生産状況は全体的に生産ダウンで需要低下となったため、売上高は若干減少した。セグメント利益は、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物流コストの上昇などの影響を受け減少した。この結果、同事業の売上高は同2・5%増の91億8800万円、セグメント利益は同20・6%減の6億1900万円となった。
ファインケミカル事業は、モビリティ(自動車関連)向けのコーティング剤の需要は堅調であったものの、ディスプレイ業界の在庫調整の影響を受け、スマートフォンやタブレットのアクセサリー、PC、光学フィルム向けのコーティング剤の需要が減少したことにより、売上高およびセグメント利益は大幅に減少した。この結果、同事業の売上高は同29・3%減の19億600万円、セグメント利益は同37・5%減の6億3500万円となった。
蒸留事業は、新商材の販路拡大、新規ユーザーの獲得や既存ユーザーへの拡販等により、売上高およびセグメント利益は増加した。この結果、同事業の売上高は同8・9%増の39億2千万円、セグメント利益は同44・8%増の3億600万円となった。