【決算】ナトコ10月期第1四半期、 売上増も利益減に
ナトコ(粕谷太一社長)は3月2日、2022年10月期第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比8・7%増の47億3100万円であったが、利益面では原油などの資源高に伴う原材料価格の高騰や物流コスト上昇などの影響により、営業利益は同33・9%減の3億3800万円、経常利益は同33・9%減の3億7100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同35・2%減の2億7500万円となった。
セグメント別の業績では、塗料事業は売上高が同7・4%増の27億9800万円、セグメント利益は同48・6%減の1億6900万円であった。金属用塗料分野で工作機械、農業機械、物流機器を中心に意匠、機能性塗料の採用が増えたことや、中国で水性塗料を中心に新規ユーザーの開拓が進み、売上高が増加。建材用塗料分野も、主力外装建材ユーザーの高耐久商材向け塗料、内装建材向けの抗ウイルス塗料の需要が増えたことで売上増となった。しかし、利益では原材料価格の高騰や物流コストの上昇などの影響を受けて減少した。
ファインケミカル事業は売上高が同2・9%減の7億9200万円、セグメント利益は同3・2%増の2億5600万円であった。自動車関連向けコーティング剤の需要は旺盛であったが、コロナ禍でのリモートワーク需要が一服したことで、PCやタブレット等の情報家電向けコーティング剤の需要減で、売上高は減少した。セグメント利益は、原材料価格の高騰や物流コストの上昇などの影響を受けたものの、高付加価値製品の販売が伸びたことで、前年同期に比べ増加した。シンナー事業は売上高が同22・3%増の11億3900万円、セグメント利益は同4・8%減の7400万円であった。新規ユーザーの獲得やコロナ禍の生産調整からの回復傾向で出荷量が増加したことにより、売上高が増加。セグメント利益は、原材料価格の高騰などの影響を受けて減少した。