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日本ペイントAC、フィルム事業に本格参入

トヨタと共同開発の太陽電池向けの加飾フィルムも

日本ペイント・オートモーティブコーティングス(NPAC)は、2015年から次世代自動車産業における顧客ニーズに対応するため、新規領域として、フィルム向けのコーティング(加飾フィルム)の技術開発に取り組んできたが、7月1日にフィルムビジネスへの本格参入を発表した。

加飾フィルムのテストパネル


自動車産業では、次世代自動車へのシフトが進む中、運転席のデジタルコックピット化や快適な移動空間がより求められる等、自動車の役割に変化が生じている。また、自動車部品においても、電動化や高度安全技術の導入により、一部の車両でフロントグリルレス化や、センサーやカメラ等を内蔵したパネルに置き換わるなど大きく変化している。同時に、環境負荷低減へのさらなる対応も求められる。

NPACが今回事業化した自動車内装用の加飾フィルムは、センターインフォメーションディスプレーなどの電子デバイスやディスプレーの保護、映り込み防止機能のほか、コロナ禍において需要が高まっている抗ウイルス等の機能を付与することができる。また、塗料では実現できなかった自由なデザインを施すことも可能だ。さらに、塗装工程でのCО2排出量の低減も期待されることから、脱炭素社会の実現に向けて、加飾フィルムへのニーズはますます高まると見られる。

NPACでは、トヨタ自動車と共同開発している太陽電池向けの加飾フィルムをはじめとして、自動車内装部品だけでなく多機能化する外装用の加飾フィルムの開発や、自動車以外への応用についても検討を進めている。また、これまで提供していたフィルム用のコーティング剤に加え、2022年からは、コーティングされたフィルム自体の販売も計画しているという。