【決算】日本ペイントHD、2桁の増収増益を達成
日本ペイントホールディングス(若月雄一郎代表執行役共同社長、ウィー・シューキム代表執行役共同社長)は5月15日、2023年12月期第1四半期連結決算を発表した。
売上収益は前年同期比15・8%増の3302億1300万円、営業利益は同59・4%増の349億900万円、税引前四半期利益は同56・5%増の334億4100万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同91・6%増の253億4千万円となった。2022年5月31日にクロージングした欧州塗料メーカーDP JUB delniska druzba pooblascenka d.d.の子会社化や円安の影響、主力事業である中国の汎用塗料において販売数量が増加したことなどで増収増益を達成した。
セグメント別の業績では、日本の売上収益は同12・4%増の469億8900万円、営業利益は同810・5%増の26億3500万円、NIPSEAの売上収益は同15・9%増の1780億2800万円、営業利益は同48・8%増の245億5900万円、DuluxGroupの売上収益は同20・2%増の817億4500万円、営業利益は同38・2%増の72億8900万円、米州の売上収益は同8・3%増の234億4900万円、営業利益は同13・7%減の7億4400万円であった。
実質ベースによれば、中国の建築用は、TUC(Trade Use Consumer)においてコロナ規制の緩和で経済活動が順調に進展し、同19%増収。TUB(Trade Use Business)において不動産市場は依然軟調も、一時期に比べて状況が改善しており、同5%増収となった。 中国全体の利益率は12・9%に改善し、前期比で5ポイント改善。前四半期比でも3・9ポイント改善している。
建築用は、各地で数量成長や製品値上げが浸透した結果、悪天候の影響を受けた米州以外の地域で、増収を達成。自動車用は、生産台数が大きく落ち込んだ前年からの反動増もあり、日系完成車メーカーの生産台数が減少した中国以外の地域で増収となった。
原材料関連では、原油価格は前年同期比6%下落、国産ナフサ価格も同4%下落している。 原油・ナフサ以外の価格転嫁(燃料コスト、物流、設備老朽化による投資費用の転嫁など)は依然として継続しており、原油・ナフサ下落の恩恵を享受できない状況が継続している。 原材料費率は大部分の地域で低下傾向にあり、売上総利益率は前期比、前四半期比ともに3四半期連続で改善した。
日本ペイントホールディングスでは、2023年12月期第2四半期以降は、製品値上げの浸透と原材料費率の低減により、売上総利益率は前期比で改善を見込んでいる。