【決算】日本ペイントHD、2桁増の増収増益に
日本ペイントホールディングス(若月雄一郎共同社長、ウィー・シューキム共同社長)は8月8日、2024年12月期第2四半期連結決算を発表した。中国をはじめとしたNIPSEAの主要市場で販売数量が増加したことや、円安の影響などにより、売上収益は前年同期比17・9%増の8171億4300万円、営業利益は同12・8%増の944億9千万円、税引前利益は同12・2%増の919億2200万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同8・9%増の663億3900万円となった。
セグメント別の業績は、日本は自動車用塗料の売上収益は自動車生産台数が減少したことにより、汎用塗料の売上収益は製品値上げの浸透や販売施策が寄与したものの、物価高騰に伴う消費控えや低価格製品ニーズの高まりの影響を受け、いずれも前年同期を下回った。工業用塗料の売上収益は市況が低調に推移したが、製品値上げの浸透が進み前年同期並みであった。この結果、売上収益は前年比横ばいの972億8千万円、営業利益は製品値上げの浸透などによる売上総利益率の改善により、同13・8%増の90億4900万円となった。
NIPSEAは、自動車用塗料の売上収益はタイにおいて自動車生産台数が前年同期を下回ったが、中国において自動車生産台数が前年同期を上回ったことにより、前年同期を上回った。汎用塗料の売上収益についても中国に加え、マレーシア、シンガポール、トルコ等主要市場においても販売数量が増加したことで、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同22・9%増の4582億7900万円、営業利益は同16・1%増の637億3400万円となった。
DuluxGroupは、汎用塗料の売上収益は太平洋および欧州において市況が軟化したことなどにより販売数量が伸び悩んだが、円安影響により前年同期を上回った。塗料周辺事業の売上収益は軟調な市況の影響を受けるも、太平洋における事業買収や2023年7月に買収完了した欧州塗料周辺製品メーカーN.P.T.s.r.l.による業績寄与により、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同16・3%増の1984億8300万円、営業利益はインフレに伴う販管費の増加も粗利率の改善などにより同0・5%増の185億6300万円であった。
米州は自動車用塗料の売上収益は、アメリカにおいて、日系自動車メーカーを中心とした自動車生産台数の回復や製品値上げの浸透が進んだ結果、前年同期を上回った。汎用塗料の売上収益は、米国経済や住宅市場低迷の影響を受けたが、製品値上げの浸透が進んだことやカリフォルニア州における天候不順の影響が前年同期よりも減少した結果、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同21・4%増の631億円、営業利益は同40・4%増の48億4400万円を達成した。
同社では下期見通しのうち、新規連結予定のインド2事業(NPI・BNPA)は、第1四半期決算で発表したクロージング時期の見込みを変更。損益の取込み開始時期は2025年を想定している。