日本ペイントHD、米AOC社を子会社化
日本ペイントホールディングスは10月28日、米国・欧州を中心に事業を展開するスペシャリティ・フォーミュレーターであるAOC、LLCをはじめとした企業群を傘下とするLSF11 A5 TopCo LLC(以下、AOC社)の全持分を取得して子会社化することを決定し、持分譲渡契約を締結したことを発表した。なお、本持分譲渡契約の締結は、9月26日開催の同社取締役会において代表執行役共同社長両名へ決定の権限を一任することを決議しており、諸条件が整ったことから正式に締結することを10月28日に決定した。
取得の理由として、同社は経営上の唯一のミッションである「株主価値最大化(MSV)」の実現に向けて、経営モデル「アセット・アセンブラー」のもと、既存事業の成長によるオーガニックなEPS(一株当たり当期純利益)の積み上げと、事業・地域・規模に制限を設けることなく、良質で低リスクなM&AによるインオーガニックなEPSの積み上げを追求。また、「アセット・アセンブラー」モデルに対して、資本市場からの理解・評価を獲得していくことで「PERの最大化」 を目指している。
一方、AOC社は、今後も成長が見込まれる分野も含めた幅広い顧客基盤、顧客のニーズに合わせて高度にカスタマイズ可能な技術力、柔軟に対応可能な物流網の保有等により、コーティング周辺製品向けスペシャリティ・フォーミュレーターとして、米国および欧州市場においてリーディングポジションを獲得している。また、優れた収益性や軽い設備投資負担等の特長により、優れたキャッシュ創出力を有している。
このため、同社グループにおいては、安全なEPSの積み上げへの寄与に加え、グループ会社との連携による既存事業の成長の一助となることも期待されている。
なお、本件持分取得により、買収初年度より同社のEPSにプラス貢献する見込みであり、また、本件持分取得に要する買収資金は金融機関からの借入を想定しており、新株発行を伴う資金調達は予定していない。
※スペシャリティ・フォーミュレーター=建築物・インフラ設備・輸送機器・船舶等で使用されるコーティング剤・接着剤・密封剤・エラストマーや着色剤、複合材料等のコーティング周辺製品向けに、不飽和ポリエステルやビニルエステル等の配合設計・製造・販売を行う企業。